「日本の人が優しくしてくれた」 苦労跳ねのけたリ・ハナ初V、4か国語を話す才女は「ボミさんのように」
女子ゴルフの国内ツアー・樋口久子 三菱電機レディスが29日、埼玉・武蔵丘GC(6650ヤード、パー72)で最終日が行われた。前年の年間女王・山下美夢有(加賀電子)と、初優勝を狙うリ・ハナ(韓国)、仁井優花(エレコム)の3人が通算9アンダーで並び、プレーオフ(PO)に突入。最後は1ホール目でリ・ハナがバーディーを奪って勝負を決した。中国で生まれ、12歳で韓国に渡ってゴルフの腕を磨いた22歳。高校卒業後に来日し、中国語、韓国語、英語、日本語を話せる才女でもある。愛くるしさも踏まえ、前週のマスターズGCレディースで日本ツアーを引退したイ・ボミのような「愛される外国人選手」になる予感を漂わせている。自身もイ・ボミのファンで「ボミさんみたいになりたいです」と目を輝かせた。
樋口久子 三菱電機レディス最終日
女子ゴルフの国内ツアー・樋口久子 三菱電機レディスが29日、埼玉・武蔵丘GC(6650ヤード、パー72)で最終日が行われた。前年の年間女王・山下美夢有(加賀電子)と、初優勝を狙うリ・ハナ(韓国)、仁井優花(エレコム)の3人が通算9アンダーで並び、プレーオフ(PO)に突入。最後は1ホール目でリ・ハナがバーディーを奪って勝負を決した。中国で生まれ、12歳で韓国に渡ってゴルフの腕を磨いた22歳。高校卒業後に来日し、中国語、韓国語、英語、日本語を話せる才女でもある。愛くるしさも踏まえ、前週のマスターズGCレディースで日本ツアーを引退したイ・ボミのような「愛される外国人選手」になる予感を漂わせている。自身もイ・ボミのファンで「ボミさんみたいになりたいです」と目を輝かせた。
PO1ホール目。山下、仁井がバーディーを逃した後、リ・ハナが50センチのウイニングパットを決めた。瞬間、バンザイで喜びを表現。ギャラリーからの拍手には笑顔と会釈で応えた。
「うれしい気持ちです。(POは)初めての経験なので緊張していました。でも、ギャラリーの人たちが『頑張ろう、頑張って』と言ってくれてうれしかったです」
少しのたどたどしさはあるが、会見では日本語だけで対応した。そして、経歴も自身で明かした。
「中国には11歳までいました。両親は10年ぐらい前から日本に住んでいて、私は韓国の学校に行き、ゴルフをしました。コーチに教わって、中学、高校で全国優勝をしました。高校を卒業した後は両親と一緒にいたいこともあって、日本のツアーを目指しました」
言葉通り、高校卒業後に来日して2019年のプロテストを受験。2打及ばすに不合格となった。だが、同年に限って「合格圏から2打差以内」まではエントリーできたツアー予選会(QT)を経て、翌20-21年統合シーズンでステップ・アップ・ツアー3勝。コロナ禍で21年6月に延期された20年度プロテストで合格し、晴れて日本女子プロゴルフ協会の会員となった。
昨季22年シーズンは苦しみながらも、メルセデス・ランキング(MR)54位で準シード権を獲得。手にした今季前半戦出場権で5月のワールドレディスサロンパス杯で3位に入るなどし、後半戦も出場を続けている。
「大変な時もありました。でも、今よりも日本語を話せない時に日本の人、選手、関係者が優しくしてくれたので、頑張ることができました」