2勝目菅沼菜々、土壇場V争いでまさか「バレないよう歌ってた」 大好きアイドル・乃木坂46で気分上々
女子ゴルフの国内ツアー・NOBUTA GROUP マスターズGCレディース最終日が22日、兵庫・マスターズGC(6495ヤード、パー72)で行われた。首位で出た菅沼菜々(あいおいニッセイ同和損保)が3バーディー、1ボギーの70で回り、2位と3打差の通算14アンダーで逃げ切り優勝。2か月ぶりのツアー通算2勝目を手にした。観衆は5519人。
NOBUTA GROUP マスターズGCレディース最終日
女子ゴルフの国内ツアー・NOBUTA GROUP マスターズGCレディース最終日が22日、兵庫・マスターズGC(6495ヤード、パー72)で行われた。首位で出た菅沼菜々(あいおいニッセイ同和損保)が3バーディー、1ボギーの70で回り、2位と3打差の通算14アンダーで逃げ切り優勝。2か月ぶりのツアー通算2勝目を手にした。観衆は5519人。
同じ首位スタートの尾関彩美悠はバーディー発進したが、2、4番でボギー。耐えた菅沼は4番のバーディーで単独首位に浮上した。9番パー5の第3打でピンそば1メートルにつける好ショット。スコアを1つ伸ばし、14アンダーで後半9ホールに突入した。
昨季年間女王・山下美夢有、ツアー初優勝を狙う天本ハルカらも絡む優勝争い。菅沼は12番でバーディーの後、17番でこの日初ボギーを叩いたが、粘り強いゴルフを続けた。最終18番でウイニングパットを沈めると、両腕でガッツポーズ。今大会限りで日本ツアーを引退したイ・ボミがスタンド席から「菜々ちゃん、おめでとー!」と祝福した。
昨年はトップ10が15度もあり、2位と3位がそれぞれ2度ずつ。メルセデス・ランキング8位に入るほど安定していたが、初優勝には届かず。しかし、再三上位に入った今季は8月に初優勝した。アイドル好きを公言し、愛らしい仕草など“あざと可愛い”キャラクターで人気に。ファンを楽しませ、自らを「自称アイドルゴルファー」と評してきた。
全国を転戦するゴルファーにとって大きなハンディキャップとなる「広場恐怖症」を持つ。公共交通機関の大半を使えず、沖縄や北海道のツアーには出られない。時には父の運転する車で最大1200キロほどを移動することもあった。
今季はJLPGAのブライトナーにも任命され、女子ゴルフの魅力の発信により力を入れてきた。2週前は発熱で途中棄権。新型コロナウイルス、インフルエンザの検査はともに陰性だったが、体重が3キロ落ち、飛距離もダウン。それでもスムーズな動きに繋がり、スイングにキレが生まれた。
優勝会見の主な一問一答は以下の通り。
――今の率直な気持ちは。
「やっぱり1勝目が凄く自信になって、自信をもってプレーできたのが勝てた要因かなと思います。17番でボギーを打ってしまって悔しかったけど、そこまでのゴルフの内容はよかった。最後は『嬉しーっ!』て感じですかね」
――良かったところ。
「パット。今週のグリーンが好きだった。ドライバーを今週から替えたけど、それが合っていつも以上にフェアウェーにいってくれた」
――体調不良もあった。
「体調不良になってしまったけど、ゆっくりできたのがよかったです。4日間いいスコアで回るのは難しい。72ホールでいろんなことがある。強い選手は4日間の4日目に強い印象。今日はボギー1個あったけど、少なかった。打たなかったのは自分が調子がよかったからかなと」
――イ・ボミの引退試合だった。
「そういう機会に優勝できて嬉しいですし、引退された後もJLPGAを盛り上げられるように笑顔で頑張りたいです。『おめでとう!』と言ってくださいました」
――新ドライバーの打感は。
「スピン量も多すぎず少なすぎず。初速があるので飛距離が出るし、安定感があったと思う。今までこんなに曲がらなかったことがないくらい。自分の持ち球をイメージして打てた。5Uも良くて、前のより“顔”もかっこよくなって打ちやすい」
――自称アイドルと言っている。
「自称といえばあまり炎上しないと思って言っています(笑)。このまま続けたい。今は乃木坂さんが一番です」
――1勝目はアイドルになりきって、重圧を乗り越えながら回った。
「いつも毎日やっています。(大好きな)乃木坂46さんのような清楚より、キャピキャピ系を目指しています。常にキャピキャピ系。清楚のスーンって感じではなく、そういうところを見てほしい。ポーズはハートマーク以外にやりたいけど、それに近いものを研究中です」
――1勝してから気持ちに余裕も。
「周りを見てゴルフをしなくなったのが一番の成長。周りを見て、周りが伸ばしていたら気負ってしまって力が入ってミスするのが多かった。自分が伸ばせば優勝できるとわかってから、周りを気にせずプレーできるようになった」
――今日は追いかけられる立場だった。
「2勝目でも緊張します。試合中は周りにバレないように歌っていた。あとはキャディーさんとどうてもいい話で和んでいました。歌は基本的に乃木坂さんの歌です。キャディーさんにも覚えてもらって一緒に。今は『おひとりさま天国』ですね」
――勝てると思った瞬間は。
「17番が終わって気持ちが楽になった。スコアは“ガン見”していました。リードしていても油断はできないし、キャディーさんに『曲がらないから大丈夫』と言われて、そう思って打ちました。(18番は)セカンドを打つ時に『今この人たちがみんな私を見ているんだな』って思って嬉しかったです。今日は泣きそうな感じもなかった。今は優勝した実感はないです」
――初優勝時はよく飛んだドライバーを「ゴリラ」と表現していた。今週のプレーを動物に例えるなら。
「パットは長いのも入って……よくわかんないけど、うさぎ?(笑)。わかんない。(理由は)可愛いから(笑)」
――2番はナイスパー。
「チョロしそうでチョロした。3打目は残り84ヤード。56度で振りました。パーパットは2メートルくらい」
――気持ちの切り替えで意識したところは。
「悩む時間がもったいないし、悩むくらいなら寝て忘れようと。春先はつらかったけど、試合に出ているだけで楽しいし、まあいっかと思っていた。昔からポジティブです」
――上が黄金世代、下がプラチナ世代。
「一時期、稲見萌寧ちゃんが何勝もして置いて行かれる感じ。少しでも萌寧ちゃんに近づきたかった。去年のシードも2人だった。狭間ですよね……。萌寧ちゃんには追いつきたいけど、他の世代も凄いなって思います」
――今後の目標は。
「今後はメジャー優勝を目標に残り5試合を頑張りたい」
(THE ANSWER編集部)