「ネット暴力に繋がってしまう」 中国競泳エース7冠も幻、リレー大幅フライング失格に擁護論
杭州アジア大会の競泳で開催国・中国に起きたフライングに地元メディアも驚いている。29日に行われた女子4×100メートルメドレーリレー予選。金メダル本命の女王・中国の背泳ぎ第1泳者がリアクションタイム0秒16という大幅なフライングで失格に。中国競泳界のスター張雨霏の個人7冠も幻になった。中国メディアやファンからもさまざまな反応が上がった。
アジア大会女子4×100メートルメドレーリレー予選で波乱
杭州アジア大会の競泳で開催国・中国に起きたフライングに地元メディアも驚いている。29日に行われた女子4×100メートルメドレーリレー予選。金メダル本命の女王・中国の背泳ぎ第1泳者がリアクションタイム0秒16という大幅なフライングで失格に。中国競泳界のスター張雨霏の個人7冠も幻になった。中国メディアやファンからもさまざまな反応が上がった。
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まさかの出来事がスタートで起きた。日本も出場した予選2組、スタートの合図で他の選手よりひと呼吸早く4レーンの汪雪児が飛び出した。入水時点で体半分以上が前に出たほど。レースは続行され、中国は4分0秒84で1着で泳ぎ切ったが、ゴール後に失格が宣告された。リレー種目、しかも背泳ぎでフライングが起こることはかなり珍しい。汪雪児は涙に暮れ、引き揚げた。
自身も現役時代、背泳ぎを得意にしていた萩原さんが自身のX(旧ツイッター)で「こんなことが起こるんだ…と驚きました。私の競泳人生で背泳ぎのスタートのフライングは初めて見ました」と投稿したほど珍しいフライングだった。
当然、地元・中国メディアの驚きも大きく、「澎湃新聞」は「半島都市報」の記事を紹介する形で「突発事案! 競泳リレーチームの成績取り消し」と見出しとを打って報じた。すでに5つの金メダルを獲得していた張雨霏が個人7冠がかかっていたことに触れ、「残念ながら7冠王はなくなった」と無念の様子だ。
さらに「実は、女子400メートルメドレーリレーで、中国はまるで呪いにかかっているかのようなのだ。反則による結果取り消しはこれで連続3回目となる」とし、2014年大会は第3泳者が潜水で15メートルを超える違反で、前回2018年大会は第3泳者の飛び込みが早い違反で、決勝進出を逃した過去も紹介した。
中国のSNSや記事に対するファンのコメントもさまざまな反応が上がった。「失格はとても残念だけど、これを教訓に自分を磨いて、次回ミスを繰り返さないように頑張れ」「みんなに大きな声で伝えたい。汪雪児はとっても素晴らしい、私たちの誇りだ」「このトピック、影響が大きいと思う。張雨霏の金7つがなくなったことを持ち出したら、ネット暴力で汪雪児を責め立てることにつながる」と擁護や心配の声。
一方で「彼女のために今回金メダルがとれなかった仲間たちをどうするんだろう。ようやく金メダルがとれると思っただろうに」「ほんのわずかなアドバンテージを得ようとするとは。いったい何を考えていたのか」と指摘する声もあった。
3大会連続失格という事態については「伝統って言うしかない」「呪いを解くいて、次回は頑張れ」「あまり気にしないで。これは伝統だから」「3回連続で失格ってやっぱり珍しい。凄い記録だ。なかなか破れない」と嘆く声もあった。
(THE ANSWER編集部)