敗れた池江璃花子に優勝した中国ライバルが向けた敬意「彼女の存在は私たち全員の励みなんです」
杭州アジア大会に出場している競泳・池江璃花子について、中国のライバル選手が想いを語った。病気を乗り越え、帰ってきたアジア大会に「彼女がプールにいるだけで奇跡なんです。それは私たちの誰にとっても励ましなのです」と敬意を込めた。
バタフライで長年競い合う張雨霏と池江璃花子の友情エピソード
杭州アジア大会に出場している競泳・池江璃花子について、中国のライバル選手が想いを語った。病気を乗り越え、帰ってきたアジア大会に「彼女がプールにいるだけで奇跡なんです。それは私たちの誰にとっても励ましなのです」と敬意を込めた。
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27日に行われた女子100メートルバタフライ決勝。東京五輪の200メートルバタフライと800メートルフリーリレーの2冠を達成した中国の25歳・張雨霏が55秒86の大会新記録で優勝した。その大会記録を持っていた池江は58秒98の5位。しかし、中国メディア「羊城晩報」は「オリンピックセンターのプールで感動を呼ぶシーンが見られた。日本の池江は5位だったが、レース後、池江に会場全体から拍手が送られた」と伝えた。
「多くの者は張が破った大会記録が池江が打ち立てた記録だったことを知っていた。池江はジャカルタのアジア大会で6つの金メダル、2つの銀メダルを獲得し、『男性版フェルプス』と呼ばれた。しかし、絶頂期を迎えようとしていた彼女に運命がいたずらをした。池江は白血病に罹患したのだ」
病魔に襲われた池江が復活を目指した歩みは観る者を感動させ、励ましたと伝えた。そして、張雨霏が東京五輪でも今夏の福岡世界水泳でも池江に温かいハグを交わし、福岡では手のひらに「be the best of yourself」と書いて池江にメッセージを送り、杭州アジア大会での再会を約束したというエピソードを紹介した。
池江にとって、このレースが今大会初の個人決勝だった。「中国新聞網」によると、レース後の会見で長年にわたりライバルとして切磋琢磨してきた張雨霏は、池江について想いを語った。
「池江は前回(ジャカルタ)のアジア大会では誰もが認める『天才少女』でした。今では、彼女がプールに姿を見せること、それが奇跡だと思います。私たちの誰にとっても、それは励ましなんです。自分の心の中に、自分の目標をもっと成し遂げようという力が生まれてくるんです」
6つの金メダルを獲得した前回大会の輝きには届いていないが、その存在が国境を越えて励みとなっていることを力説した張雨霏。「羊城晩報」の記事では「張雨霏の『抱擁』と池江璃花子の『再生』。2人が伝える気持ちと力は、スポーツを越えたものだ」と両者の関係を好意的に伝えた。
(THE ANSWER編集部)