那須川天心、公開練習で世界ランカー圧倒 驚く報道陣に「前と全然違うと思ったと思う」
ボクシングの東洋太平洋スーパーバンタム級8位・那須川天心(帝拳)が8日、18日のボクシング転向2戦目(Amazon プライム・ビデオで生配信)に向け、都内の所属ジムで練習を公開した。スーパーバンタム級ノンタイトル8回戦(東京・有明アリーナ)でメキシコバンタム級王者ルイス・グスマンと対戦。当初対戦予定だったファン・フローレス(メキシコ)が新型コロナウイルスに感染し、相手が変更された一戦へ、スパーリングで世界ランカーを圧倒した。
那須川天心が練習公開
ボクシングの東洋太平洋スーパーバンタム級8位・那須川天心(帝拳)が8日、18日のボクシング転向2戦目(Amazon プライム・ビデオで生配信)に向け、都内の所属ジムで練習を公開した。スーパーバンタム級ノンタイトル8回戦(東京・有明アリーナ)でメキシコバンタム級王者ルイス・グスマンと対戦。当初対戦予定だったファン・フローレス(メキシコ)が新型コロナウイルスに感染し、相手が変更された一戦へ、スパーリングで世界ランカーを圧倒した。
那須川が順調な調整ぶりを見せた。公開スパーで最初に対峙したのは、WBC世界スーパーフライ級10位で4度の世界挑戦経験があるイスラエル・ゴンサレス(メキシコ)。軽快な動きで相手のパンチをかわすと、連打をたたみかけた。狙いすましたカウンターも披露。2ラウンドを終えると、2人目のリカルド・エスピノサ(メキシコ)と相まみえた。
2019年4月のWBO世界バンタム級暫定王者決定戦でジョンリエル・カシメロ(フィリピン)と対戦。12回TKO負けしたが、28勝(23KO)4敗1無効試合と経験豊富な実力者だ。那須川はボディーからワンツーでダメージを与えると、スピードを生かしてほとんどパンチをもらわず。2人合計4ラウンド。見守った報道陣からも「おぉ」と驚きの声が漏れる場面もあった。
階級は下だが、減量をしていない相手と拳を交えた那須川は「公開練習ってこんなに公開するんですね。全部公開しちゃいました。惜しみなく」と大粒の汗。「世界ランカー経験者に普通にできました。(調整期間終盤で)疲労もある中でも、今のMAXに近い状態を出せたと思う。取材をしてくださってきた方も『前のスパーと全然違う』と思ってくださったと思う」と笑みを浮かべた。
10勝(6KO)2敗のグスマンは1日に母国で防衛戦を予定していたが、直前で試合キャンセル。もともと那須川の相手候補の一人だった。フローレスと同じ右構え。突然の相手変更にも、那須川は「特に変わらない。相手どうこうでやっていない。変わっても自分のパフォーマンスをする。この試合のためにトレーニングをしてきたわけではない」と、未来を見据えながら実力を磨いてきたことを強調した。
その上で「圧力があって一発をもらえば危ない。そこを気を付けて当てさせないようにしたい。気で負けたらダメ」と警戒する。8月に米ラスベガスで約2週間のスパーリング合宿を消化。自己最長8ラウンドを3度組み込むなど、スタミナ面も強化したほか、左ボディーでダウンを奪うなど確かな成長を実感した。
「コンディションはいいです。スパーもデビュー戦の前より倍以上やった。100ラウンド以上ですね。今、試合をしろと言われてもできるくらい。こんなにやる必要があるのかというくらいです。自分で言うのもアレですが、デビュー戦と全然違うと思います。やっとボクシングになってきた」
デビュー戦は判定勝ちだっただけに、KOへの期待も高まる。「テーマは自分の中では『倒します』と言うけど、チームには『意識すると硬くなる。自然体でやった方がいい』と言われる。自然体でやりつつ、心の中では倒し切ると思ってやります」とKO勝ちにも照準。「こんなに変わったんだってみんなに見せたい」と進化の証明を誓った。
同興行ではWBA&WBC世界ライトフライ級2団体統一王者・寺地拳四朗(BMB)が、WBC1位ヘッキー・ブドラー(南アフリカ)との防衛戦(WBA2度目、WBC3度目)を予定。WBO世界スーパーフライ級王者・中谷潤人(M.T)は同級6位アルヒ・コルテス(メキシコ)との初防衛戦に臨む。
○…興行はAmazon プライム・ビデオにて「Prime Video presents Live Boxing」の第5弾として独占生配信される。日本のプライム会員は追加料金なしで視聴可能。これまで昨年4月の村田諒太(帝拳)―ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)戦、同6月の井上尚弥(大橋)―ノニト・ドネア(フィリピン)戦、同11月の寺地―京口紘人(ワタナベ)戦、那須川のデビュー戦の全4回が生配信され、いずれも大きな反響を集めた。
(THE ANSWER編集部)