やり投げ・北口榛花「ウハハハハハ!!」 ミスにも豪快笑顔で貫禄の予選通過「歩数間違えた」
ブダペスト世界陸上は23日、女子やり投げ予選が行われ、昨年大会銅メダルの日本記録保持者・北口榛花(JAL)が63メートル27のA組2番手で予選通過した。昨年は五輪も含め、日本女子フィールド種目で初のメダルの快挙を達成した25歳。金メダルの歴史的偉業も期待される決勝は、25日(日本時間26日)に行われる。
ブダペスト世界陸上
ブダペスト世界陸上は23日、女子やり投げ予選が行われ、昨年大会銅メダルの日本記録保持者・北口榛花(JAL)が63メートル27のA組2番手で予選通過した。昨年は五輪も含め、日本女子フィールド種目で初のメダルの快挙を達成した25歳。金メダルの歴史的偉業も期待される決勝は、25日(日本時間26日)に行われる。
貫禄の決勝進出だった。1投目は59メートル04と出遅れ。しかし、2投目は自動通過が決まる61メートル50を軽々と越え、この時点でトップの63メートル27をマークした。ピョコピョコと飛び跳ね喜びを表現。カメラに向かって笑顔を見せた。
取材エリアでは1投目の投てきについて、「1本目に歩数を間違えた。ウハハハハハハ!!」と豪快に笑い飛ばした。「『あー、私でもこんなことするんだ』って思いながら歩数を間違えちゃって。2本目はいつも通りですかね」と、本調子でない中でも好記録をマークできたという。
「試合までそんなに緊張していないと思っていたんですけど、試合入ったら凄く緊張しちゃって。初めていらないところに力が入ってるなと凄く感じながら試合した。1投目もちょっと力みすぎちゃったなって。2投目までにどうやったら力が抜けるかをずっと試してやってみていました。力を抜けなかったけど、しっかり63メートルを投げられて、決勝進出を決められて良かったなと思いますし、完璧じゃない投げで63メートルはすごく大きい」
緊張の理由は、大会直前に少しだけコンディションが落ち、プラン通りに練習を進められなかったのが一つ。もう一つは「やっぱりずっとカメラに追われていたし、そういう状況は初めてだった。自分の中では楽しもうと精一杯努力はしたんですけど、やっぱりどこか緊張もありました」と説明した。高い注目を集める優勝候補。試合後も海外メディアの取材に流暢な英語で答えた。
1投目の後はリラックスするために、「いつもやってるんですけど、唇を振るわせたり、無駄に思いっきり力んだりしてみました。アハハハハ! これ以上力めないぐらい力んで動いてみたり」と持ち前の明るいキャラクターを炸裂。「練習ではやりを投げる回数がいつもより1回少ないので、今日がいい練習になればいいかな」と余裕を見せた。
昨年は飛躍の一年だった。世界陸上銅メダルは五輪も含め、日本女子フィールド種目で初のメダル獲得。他にも世界最高峰のダイヤモンドリーグ(DL)パリ大会で日本人初優勝の快挙を達成し、シレジア大会でも優勝。成績上位者だけが出られるDLファイナルは3位に食い込んだ。
今季は4月に64メートル50、5月に64メートル43をマークするなど好調。今大会の参加標準記63メートル80を突破し、早々に代表内定を勝ち取った。しかし、6月の日本選手権では59メートル92の2位。3連覇を逃し、号泣しながら苦悩を明かしていた。それでも、7月のDLシレジア大会で67メートル04の日本新。連覇で復調を印象付けた。
来年パリ五輪の参加標準記録64メートル00を突破し、今大会3位以内&日本人最上位なら五輪内定となる。昨年銅メダルだった時の自身と同じ記録だったが、「あ、そうなんですか。全然知らない(笑)。自分の記録はベストしか覚えられないんで」と返答。「メダルを目標にやってきてるので、メダルを獲れる取れるように頑張りたい。もっと緊張すると思うけど、3投目までになんとか今日みたいにできればいいなって思ってます」と活躍を誓った。
(THE ANSWER編集部)