「もしかして国民転倒の日かも(笑)」 オランダ悪夢の1日、2連続で金メダル目前転倒も選手は前向き【世界陸上】
ブダペスト世界陸上は19日(日本時間20日)、女子1万メートル決勝、混合マイルリレー決勝で先頭を走っていたオランダの女子選手がゴール手前で転倒し、金メダルを逃すという悪夢を見た。しかし、1万メートル決勝でゴール20メートル手前で転び、11位に転落した女王シファン・ハッサンは2種目で続いた悲劇に「もしかしたらオランダにとって国民転倒の日かもね(笑)」と明るく笑い、国民を鼓舞した。
ブダペスト世界陸上
ブダペスト世界陸上は19日(日本時間20日)、女子1万メートル決勝、混合マイルリレー決勝で先頭を走っていたオランダの女子選手がゴール手前で転倒し、金メダルを逃すという悪夢を見た。しかし、1万メートル決勝でゴール20メートル手前で転び、11位に転落した女王シファン・ハッサンは2種目で続いた悲劇に「もしかしたらオランダにとって国民転倒の日かもね(笑)」と明るく笑い、国民を鼓舞した。
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まさに悪夢としか言いようがない。まずは女子1万メートル決勝。東京五輪で5000メートル、1万メートル2冠を達成したハッサンがラスト1周バックストレートで先頭に立つと、そのまま押し切るかに思われた。ところが、最後の直線でグダフ・ツェガイ(エチオピア)とのマッチレースとなり、脚がもつれたのか、接触があったのか、ゴール20メートル手前で転倒。次々に抜かされた。会場は騒然。それでも立ち上がってゴールしたが、結果は11位となった。
そして、続く混合マイルリレーで悲劇が相次いだ。混合マイルリレー決勝、アンカーのフェムケ・ボルはトップでバトンを受け、最後の直線へ。米国のアレクシス・ホームズが猛追。なんとかボルが逃げ切るかと思われた。しかし、その瞬間にまさかの転倒。落としたバトンだけがそのままゴールラインを越えた。倒れた地点はわずか5メートル手前。しかもチームは失格になった。
オランダの国民が悲鳴を上げただろう2種目連続の展開。しかし、陸上界のトラック中長距離で絶対女王に君臨するハッサンは、自身に続いてゴール手前で転倒があったことについて「もしかしたらオランダにとって国民転倒の日かもね(笑)」と前向きに振る舞った。
失意のボルも転倒について「よくわからない」と困惑。疲労も感じていたというが、一方で「最後は行きたかったけど、いつもできている走りができなかったんです。痙攣したと思う。隣に誰か来ていると感じた瞬間には地面に倒れていた。望んでいたことではないけど、こういったことは起こるものよ」と気丈に微笑み、落ち込むような素振りは隠した。
ハッサンは自身の転倒について、こう言った。「人生は良いことばかりじゃない。山あれば谷あり。だから人生は美しい」。こうしたアクシデントもスポーツの一部であり、また人生の一部である。そんな言葉はオランダのファンにとっても救いになったに違いない。
(THE ANSWER編集部)