まさかのルーティン忘れでも日本人10年ぶり入賞 1万m廣中璃梨佳が苦笑「ゾーンに入ってました」【世界陸上】
ブダペスト世界陸上が19日、ハンガリーの同地で開幕した。女子1万メートル決勝では、東京五輪7位入賞の22歳・廣中璃梨佳(日本郵政グループ)が今季ベスト31分35秒12の7位。2大会連続2度目の出場で日本人10年ぶり7人目の入賞を果たした。
ブダペスト世界陸上
ブダペスト世界陸上が19日、ハンガリーの同地で開幕した。女子1万メートル決勝では、東京五輪7位入賞の22歳・廣中璃梨佳(日本郵政グループ)が今季ベスト31分35秒12の7位。2大会連続2度目の出場で日本人10年ぶり7人目の入賞を果たした。
廣中は先頭につけ、上位に食らいついた。縦長の集団になっても4、5番手をキープ。2000メートルを6分52秒41で通過した。4800メートルは先頭から1秒50差の15分46秒50で10番手に後退。それでも少しずつ前に出ると、一時は5番手まで戻した。後半は徐々に集団に飲み込まれつつ、激しい入れ替わりに耐えながら7200メートルを23分12秒74の7番手で通過。ラスト200メートルから勝負所も粘り抜いた。
「(ラスト1周の)鐘が鳴って怖かったけど、ラスト200メートルまで粘れば入賞ラインが見えてくると思っていた。(東京五輪と同じ7位だが)あの時は初めての世界の舞台で何もわからず、どの選手が強いのか情報がないまま『挑戦するんだ』という気持ち。今は周りの選手のレベルも大体わかるので、その中でそれを頭に起きながらやって入賞なので嬉しいです。
いつもは最初から行くスタイルですが、後ろから行くことにしました。自分から出るのではなく、ついていって出るという引き出しを増やしたかった。今回はタイムより順位。今までスタミナベースの練習をしていたけど、今回は5000メートルでも通用するようなスピード練習をしてきた」
いつもは終盤にギアチェンジをするため、トレードマークの帽子を投げ捨てるのがルーティン。しかし、この日は被ったままフィニッシュした。自身にとっては思いがけないまさかの出来事だったが、「集中していました。ゾーンに入っていましたね」と苦笑い。大舞台で戦った充実感が全身を包み込んだ。