世界ウェルター級4団体王座統一戦12回戦

　ボクシングの世界ウェルター級4団体王座統一戦12回戦は29日（日本時間30日）に米ネバダ州ラスベガスのT-モバイル・アリーナで行われ、3団体統一王者エロール・スペンスJr.（米国）とWBOスーパー王者のテレンス・クロフォード（米国）が激突。クロフォードが9回TKOで勝利し、世界初の2階級4団体統一を達成した。ダウンを3度奪取する衝撃のワンサイド決着。通算40戦40勝（31KO）。米記者からも驚きの声が上がった。

　世界が注目した4団体統一戦はまさかの展開だった。2回残り30秒を切ってクロフォードがカウンターからワンツーをヒット。スペンスJr.に尻もちをつかせ、ダウンを奪った。以降は焦って手数を出す相手を涼しい顔でかわし、終始圧倒。次第にスペンスJr.の顔が腫れ上がり、鼻血もあった。7回にはロープを背負いながら、カウンターで右アッパーを顔面に決め、2度目のダウンを奪取。スペンスJr.の足がふらつき始めた終了間際にもダウンを奪った。

　そして、9回、防戦一方となったスペンスJr.にクロフォードがラッシュを見せたところでレフェリーが止めて決着。試合直後からツイッター上の米記者たちからも驚きの声が続々と上がった。

　米専門誌「ザ・リング」の編集長ダグラス・フィッシャー氏は「ハービー・ドックが9回終了前に止めて良かった。かなり醜くなりかけていた。2階級で4団体統一し、3階級でリング・マガジン王者となったクロフォードおめでとう。彼は史上最高の選手の一人だ」と絶賛した。

　米著名ボクシングジャーナリストのダン・ラファエル記者も「クロフォードがスペンスを9回TKO！　完全なる破壊劇。レフェリーのハービー・ドックは素晴らしいストップだった。スペンスの脚は耐えきれなくなっており、殴られ続けていた。クロフォードがウェルター級4団体統一王者！」と声を上げ、ボクシング界からクロフォードに対する称賛が吹き荒れている。