女子テニスで“蛮行”受けて棄権した中国選手 SNSに記した感情「酷い目にあっても我慢するしか…」
現地時間18日に行われた女子テニスのハンガリアンGP、女子シングルス1回戦で見られた“蛮行”の波紋が広がっている。アマリッサ・トート(ハンガリー)と対戦した張帥(中国)はライン際の際どいアウト判定に抗議し、判定は覆らず試合が続行された中でトートがボール跡を足でもみ消されたこの“証拠隠滅”行為にも抗議し、精神的なショックから棄権した張はSNSで「酷い目にあっても我慢するしかありません」などと苦しい胸の内を明かした。
ハンガリアンGP女子シングルス1回戦での騒動
現地時間18日に行われた女子テニスのハンガリアンGP、女子シングルス1回戦で見られた“蛮行”の波紋が広がっている。アマリッサ・トート(ハンガリー)と対戦した張帥(中国)はライン際の際どいアウト判定に抗議し、判定は覆らず試合が続行された中でトートがボール跡を足でもみ消されたこの“証拠隠滅”行為にも抗議し、精神的なショックから棄権した張はSNSで「酷い目にあっても我慢するしかありません」などと苦しい胸の内を明かした。
心の傷は深かった。アウト判定が覆らなかったことはもちろん、抗議の最中にトートの地元ハンガリーのファンで埋まるスタンドから大ブーイングを浴びせられた張。その上、アウト判定となり得るはずのボール跡をトートが踏みつぶして“隠滅”した。目の前で起こった数々のことへのショックは大きく、パニック発作を理由に棄権した。
すぐに張は中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」を更新。「練習での努力はすべて間違っていたのかもしれません。ライン付近に打っても、ラインに触れていても、同じようにアウトにされるのですから」とやりきれない思いをつづり、「試合の後、たくさんの選手からメッセージが寄せられました。とても心が温まりました。私を応援してくれ、私を愛してくれるみなさん、ありがとう!正義感にあふれる言葉に感謝しています」と寄せられた激励の声などに感謝の言葉を並べた。
その上で「選手をやっていくのは本当に大変です。ボールガールにボールを返すときでさえ注意しなければならないのです。少し力が入っただけで罰金ですからね。それに、ラケットが少し速く、少し勢いよく落ちればペナルティ判定を受けることになるのです。罵倒することなど更に言うまでもなく許されません」とも。暗に、全仏オープン女子ダブルスでの加藤未唯の失格騒動にも触れる形で、判定への不満を示した。
張は「酷い目にあっても我慢するしかありません。我慢しなければ自制が効いていないと言われ、怒りをあらわにすれば何様だと思っているのかと言われます。世の中のベテランの方々に教えていただきたいです。この状況で私は怒るべきなのか、怒らないのがいいのか」と感情のコントロールの難しさも吐露。“蛮行”を犯し、勝利を伝えられた際に拳を突き上げて歓喜したトートの行動には、すでに海外記者から「絶対的な恥だ」などと非難の声が上がっているが、張の精神的なダメージは消えることはなさそうだ。
(THE ANSWER編集部)