上野由岐子「自分も年を取ったなと」 魂の2完投が示す“変わらない”日本の課題
ソフトボールの世界選手権(ZOZOマリン)は12日、決勝で世界ランク2位の日本が準決勝で敗れた同1位の米国に延長タイブレークの末に6-7で10回サヨナラ負け。7回完封した3位決定戦から“中3時間半”で先発したエース・上野由岐子(ビックカメラ高崎)が162球7失点で力尽きた。今大会555球を投げ、“魂の1日2完投”の大黒柱は見事というほかないが、同時に課題も浮き彫りになった。
上野は1日2試合、一人でマウンドを守り抜くも、最後に力尽きる
ソフトボールの世界選手権(ZOZOマリン)は12日、決勝で世界ランク2位の日本が準決勝で敗れた同1位の米国に延長タイブレークの末に6-7で10回サヨナラ負け。7回完封した3位決定戦から“中3時間半”で先発したエース・上野由岐子(ビックカメラ高崎)が162球7失点で力尽きた。今大会555球を投げ、“魂の1日2完投”の大黒柱は見事というほかないが、同時に課題も浮き彫りになった。
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この試合の162球目、この日の249球目。上野が投じたボールは三塁線を破られた。走者が生還。サヨナラ負け。2点のリードを守り切れなかった絶対的エースは、歓喜に沸く米国ナインの姿を横目に天を仰いだ。
延長10回、表に2点のリードをもらっての裏の投球。タイブレークのため、無死二塁からのスタートで1死を奪うも、そこから4本の長短打を浴びて3失点。まさかの逆転負けを喫した上野は「みんなが6点取ってくれた試合を勝てなかったのは申し訳ない」とただただ頭を下げた。
責めるものはいない。責められるはずがない。決勝の前、3位決定戦を兼ねた準決勝のカナダ戦にも先発し、7回4安打完封。そこから“中3時間半”で米国戦のマウンドに上がったのも上野だった。疲れがないわけがない。序盤から制球を乱し何度もピンチを背負った。3回には3ランを被弾し、今大会初失点を喫した。それでもマウンドに立ち続けた。
7回を投げ抜き、タイブレークに突入。最後には力尽きた。17イニング、249球。高校野球でもあり得ない数字。だが、上野は「それが理由にはならない。信頼されてマウンドに上げてもらっている。期待に応えられなかった」と言い訳をすることはなかった。
上野が一人でマウンドを守り続ける間、米国はのべ7投手の継投でつないだ。米国はこの日は決勝のみ。30度を超えるデーゲームを含む2試合を投げた上野との、疲労度の違いは火を見るよりも明らかだった。
(THE ANSWER編集部)