初出場で女子複41年ぶりVのナガマツ「開き直ってプレーできたから逆転できた」
男子を参考にし素早くスペースを突くドライブを多用
170センチの永原、177センチの松本の「ナガマツ」ペアの武器は、高い身長を生かしたアタック力。男子を参考に、高い球を簡単に上げず、素早くスペースを突くドライブを多用。また、力強いロングレシーブで相手を後方に下げさせるプレーは、日本の男子ダブルスで2016年リオデジャネイロ五輪に出場した早川賢一、遠藤大由組を参考にしているという。
今大会は、初戦から勢いと自信がふくらむ戦いが続いた。「一番緊張した」(永原)という初戦は、地元の中国ペアに逆転勝ち。3回戦ではリオ五輪の金メダリストである高橋礼華、松友美佐紀組(日本ユニシス)をストレートで破った。
前回大会では初出場だった福島、廣田の「フクヒロ」ペアが勢いに乗って銀メダルを獲得しており、福島は「昨年と自分たちと同じように、A代表に入って海外のツアーを回って勢いに乗り、自信を付けていると思う」と相手を評した。外国人記者からも「怖いものがないように見えたが……」と質問を受けるほど、松本、永原の攻撃姿勢は徹底していた。しかも、最後は大胆。マッチポイントを凌いで、逆にマッチポイントを迎えた際、松本は「この1点と思うと力が入ってしまう。ここから3点取りに行こうと気持ちを入れ直したことが勝利につながったと思う」と明かした。
世界ランク上位ペアを何組も抱える日本の女子ダブルスにおいて、松本、永原の位置は第11シードで4番手だったが、2020年東京五輪の代表争いに大きく前進した。同種目は、日本勢で金、銀、銅メダルを獲得。世界一に輝いたニューヒロインから今後も目が離せない。
(平野 貴也 / Takaya Hirano)