陸上・山縣亮太、右膝手術から復帰戦「また世界を目指す舞台に」 29日に1年7か月ぶりレース
陸上・織田記念国際が29日にエディオンスタジアム広島で行われる。28日は一部選手が会見。9秒95の男子100メートル日本記録保持者・山縣亮太(セイコー)は、右膝手術からの復帰戦に向けて意気込みを語った。
陸上・織田記念国際へ会見
陸上・織田記念国際が29日にエディオンスタジアム広島で行われる。28日は一部選手が会見。9秒95の男子100メートル日本記録保持者・山縣亮太(セイコー)は、右膝手術からの復帰戦に向けて意気込みを語った。
山縣が地元・広島で2021年9月以来、1年7か月ぶりの復帰を飾る。この日は晴れやかな空の下、スタートの確認などを繰り返して最終調整した。「この一週間の疲労を抜いて、前日練習なので体にレースの刺激を入れて明日を迎える。今日、重点的に確認したのは走りのリズムが昔と変わっているので、加速をうまく切り替えられるように意識した」と力を込め、明るい表情でこう続けた。
「明日のレースに対するワクワクした気持ちもあるし、いつも通りというか、自分が試していることを出しきれるか、うまくレースを運べるか、(手術前の)走れていた頃に感じていた不安が今日もあるので、帰ってきたなという感覚があります。競技を初めて20年になるので(試合前の雰囲気に)慣れたつもりだけど、こういった会見を含めて試合は独特な雰囲気がありますね。
今は100メートルで若い選手もたくさん出てきて層が厚い。そういった選手に負けないように明日も頑張りたい。桐生(祥秀)君も休養から復帰した。凄く楽しそうに競技をして、徐々に上げてきている。自分も第一線に早く戻ってライバルたちと切磋琢磨して、また世界を目指す舞台に立ちたい」
東京五輪後の21年10月に右膝を手術。今月2日の東京六大学対校大会の200メートルで復帰を予定していたが、練習中に内転筋をつって大事を取って欠場した。29日は雨予報。気温も下がることが見込まれる。「右膝に関しては、練習にも影響がないので凄くいい状態。内転筋も今は全く問題ないです」と万全を強調した。
織田記念は相性がいい。19年以降は肺気胸や右足首靱帯負傷、右膝蓋腱炎などで苦しんだが、21年大会で復活優勝。約1か月後に日本記録の9秒95を叩き出し、東京五輪出場に繋げた。
「思い描いたシーズンインとは違うけど、木南記念もあるし、200メートルを中心にした練習をずっと取り組んできた。その中で織田記念があるので、スピードの刺激をつけて5月にも繋げたい。あくまで2024年を見据える中で、200メートルも積極的にトライしたい。いろいろ試せるのが今年までなのでトライしたいです」
5月6、7日の木南道孝記念は200メートルにエントリー。6月の日本選手権(ともに大阪)では、8月のブダペスト世界陸上の出場権が懸かるが、100メートルは日本選手権の参加標準を切れていない。しかし、日本選手権までに100メートルに出場するのは今大会だけという。
「100メートルは最初で最後のチャンス。そこで切れば良し、切らなければだめ。怖さがないわけではないけど、自分が選んだことなので仕方ない。楽な数字ではないけど、まずは日本選手権の標準を突破することを念頭に置きたい。今回、広島に帰ってきた時も両親に『大丈夫なんか。足は大丈夫か。体調は?』と聞かれた。両親に限らず広島の人たちにも元気な姿を見せたい」
今年は無理をせず、来年のパリ五輪が最大のターゲット。日本記録保持者がいよいよ再スタートを切る。
(THE ANSWER編集部)