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常山幹太に漂うブレイクの予感 因縁の相手撃破で16強「自分だけ負けるのは嫌」

西本が勝ち、桃田が勝った。オレだけ置いていかれるのは、御免だ。バドミントン世界選手権は1日、中国・南京市ユースオリンピック公園アリーナで第3日を行い、男子シングルスの常山幹太(トナミ運輸)は、2回戦で第12シードのアンソニー・シニスカ・ギンティン(インドネシア)をストレート(21-17、21-13)で破ってベスト16入りを果たした。

常山幹太【写真:大会公式サイト】
常山幹太【写真:大会公式サイト】

世界選手権、西本&桃田に続く勝利「あの2人が先に勝っていたので」

 西本が勝ち、桃田が勝った。オレだけ置いていかれるのは、御免だ。バドミントン世界選手権は1日、中国・南京市ユースオリンピック公園アリーナで第3日を行い、男子シングルスの常山幹太(トナミ運輸)は、2回戦で第12シードのアンソニー・シニスカ・ギンティン(インドネシア)をストレート(21-17、21-13)で破ってベスト16入りを果たした。男子シングルスでは、先に試合を行った西本拳太(トナミ運輸)、桃田賢斗(NTT東日本)が勝利を挙げて16強入り。常山は「あの2人が先に勝っていたので、自分だけ負けるのは、本当に嫌だったので、勝ちたい気持ちでいっぱいでした」と負けん気を発揮した。


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 ネット前への配球が多い相手のパターンを研究し、素早くネット前に足を運んでクリアを打つ戦術が奏功した。ネット際でシャトルが低い位置に落ちる前にラケットで捉え、相手コート奥へと返球すると、後ろに戻りながら打つ相手の球が甘くなり、常山のペースとなった。それでも第1ゲームは11-7から17-17まで競り合う形に持ち込まれたが、終盤は相手の球がアウトになる形で得点を重ねて逃げ切った。第2ゲームは、反省を生かして一定のスピードを保ち、追いつく隙を与えなかった。前後に揺さぶられてフットワークが鈍った相手にドロップショットを送り込み、マッチポイントを物にした。

 相手は、最新の世界ランクで12位。27位の常山にとっては格上で、6月のマレーシアオープンでは、日本のエース桃田を敗戦寸前に追い込んだ危険な相手だ。しかし、同じ1996年生まれの22歳で、ジュニア世代から対戦している同世代。臆するところは、なかった。常山は、開口一番「やってやったぞ、と」と言って笑顔を見せた。特に4年前に同じ南京市で開催された第2回ユースオリンピック競技大会では、準々決勝でギンティンに敗れている。「ここで負けたので、ここで勝ったからめちゃくちゃ嬉しいです」と雪辱を喜んだ。

 常山は、ノッている。日本のファンには、5月の国別対抗戦トマス杯での健闘が記憶に新しい。団体戦の世界一を目指した日本は、準決勝で前回王者のデンマークと対戦。2つのシングルス、2つのダブルスで星を取り合って迎えた第3シングルスに起用された常山は、ヤン・O・ヨルゲンセンを撃破し、日本を決勝進出に導いた。緊張感高まる舞台で勝利を挙げた若者は、7月のタイオープンで優勝。本人は「勢いがあるかどうかは……」と話すが、勢いは世界選手権につながっている。本来なら、次戦の相手候補は、世界ランク2位のリー・チョンウェイ(マレーシア)だったが、欠場。ノーシードのフランス人選手と対戦する。勢いと幸運を生かし、さらに勝ち上がりたいところだ。「調子は良いと思うので、あとは自信を持って出来るかだと思います」と話した常山にブレイクの予感が漂っている。

(平野 貴也 / Takaya Hirano)


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