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ボクシング界初の偉業を達成 新世界王者・重岡優大&銀次朗「親に感謝」「父親が全ての始まり」

ボクシングのWBC世界ミニマム級暫定王座決定戦12回戦が16日、東京・代々木第二体育館で行われ、世界初挑戦の同級3位・重岡優大(ワタナベ)が同級7位ウィルフレッド・メンデス(プエルトリコ)に7回25秒KO勝ち。この日は、弟の銀次朗(ワタナベ)もIBF同級暫定王座決定戦に臨み、レネ・マーク・クアルト(フィリピン)に9回2分55秒KO勝ち。同日同階級では世界初の「兄弟世界王者誕生」となった。戦績はこの日が誕生日だった26歳の優大が7勝(5KO)、26歳のメンデスが18勝(6KO)3敗。観衆は4000人。

会見を行った重岡優大(左)と銀次朗【写真:荒川祐史】
会見を行った重岡優大(左)と銀次朗【写真:荒川祐史】

亀田興毅氏がプロデュース「3150FIGHT Vol5」

 ボクシングのWBC世界ミニマム級暫定王座決定戦12回戦が16日、東京・代々木第二体育館で行われ、世界初挑戦の同級3位・重岡優大(ワタナベ)が同級7位ウィルフレッド・メンデス(プエルトリコ)に7回25秒KO勝ち。この日は、弟の銀次朗(ワタナベ)もIBF同級暫定王座決定戦に臨み、レネ・マーク・クアルト(フィリピン)に9回2分55秒KO勝ち。同日同階級では世界初の「兄弟世界王者誕生」となった。戦績はこの日が誕生日だった26歳の優大が7勝(5KO)、26歳のメンデスが18勝(6KO)3敗。観衆は4000人。

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 弟のバトンを受けた兄もやり切った。サウスポー同士の対戦となった4回。徐々に距離を詰める優大はワンツーやボディーを繰り出した。距離を取る相手に“来い来い”と挑発するジェスチャー。圧力をかけた5回終盤、クリンチ際でバランスを崩した相手に左ストレートを打ち下ろし、ダウンを先取した。7回にも左ボディーで2度目のダウンを奪取。コーナーに登り、ドヤ顔で胸を張った。

 この日は銀次朗が初回にダウンを喫しながら、左ボディーで3つのダウンを奪う逆転KO勝ち。試合直後にもかかわらず兄のセコンドに入った。日本の兄弟世界王者は興毅、大毅、和毅の亀田3兄弟、井上尚弥&拓真の過去2組だけ。同日同階級に限れば、世界初の「兄弟同時世界王者誕生」となった。

 当初、優大はWBC王座に世界初挑戦する予定だったが、王者パンヤ・プラダブシー(タイ)がインフルエンザに感染。2週間前に中止となり、急きょ対戦相手が元WBO世界同級王者のメンデスに変更され、暫定王座決定戦になった。銀次朗は1月にIBF王者ダニエル・バラダレス(メキシコ)に世界初挑戦したが、3回に偶然のバッティングで王者が負傷。試合続行不可能となり、無効試合で涙を流していた。

 元世界3階級制覇王者・亀田興毅氏がプロデュースするボクシングイベント「3150FIGHT Vol5」として行われた今回の興行。初の東京開催となり、ABEMAで無料生配信された。試合後に兄弟そろって会見した。幼少期に2人で空手を始め、ボクシングに転向。父・功生さんの厳しい指導などを振り返った。主な一問一答は以下の通り。

――感想を。

優大「ボクシング難しいなって。相手は12回を戦うつもりできていたと思うので、ポイントを獲りながらという感じだった。ああいう相手を仕留めきるのは難しい。フラストレーションが溜まる試合だった。俺はすでに反省モード。出直してきます。プエルトリコの選手は難しい。頭の位置のずらし方、どこにずらしてくるかわからない。でも、左を一発狙っているのはわかっていた。

 達成できたのは自分一人の力じゃない。興毅さん、会長、トレーナーがたくさん動いてくれた。俺たちは練習するだけ。勝つのは当たり前で勝ち続けるけど、達成できたのは俺たちだけの力じゃない。会場の声は聞こえていました。試合前にギンも『すげーいい雰囲気だぞ』って。そういう人たちのおかげ。いつもSNSでメッセージも届いているし、刺激になっている。2人で飽きさせない選手になるので応援よろしくお願いします」

――銀次朗選手はセコンドから見て。

銀次朗「難しかったと思うけど、どこかでいいパンチが当たるというか、焦らずいけよって。見ていて心配していなかった。冷静に戦えていたと思います」

――兄弟同時世界王者について。

優大「そのおかげでこうやっていろんな方に注目してもらえた。僕たちが感じたことのない注目度。初めていろんな人に見られて、それを乗り越えられた。2人で達成したけど、2人でやってきたことで俺たちをまた成長させたと思う」

銀次朗「2人で世界王者になるために言葉だけじゃない支え合いがあった。昔から夢を叶えるために互いに助け合ってきた。存在があったおかげで今日なんとか達成できた」

――リング上で兄から「ギンがいたからここまで来られた」と。心境は。

銀次朗「正直、泣きそうになった。本当に今回は支え合ってこの日を迎えた。良い支え合いでここまで来られた」

――母は終始ハンカチで目を拭って見ていた。両親への想いは。

優大「父に関しては本当、僕たちの一番最初の指導者。すべての始まりが父親だった。早くベルトを届けたい。練習でサボらない。手を抜かないことを教わった。それが根本にある。いつも本気を出すし、ボクシングに対するそういう面をガキの頃から俺たちに叩き込んだ。そのおかげで俺たちがここにいる。

 母はやっぱりいつもそんな感じですよ。いつも泣きそうに見ている。小さい頃から本当はやってほしくないと思っていたと思う。結構、不安はあったと思う。(目を潤ませ)俺も泣きそうになっちゃう(笑)」

銀次朗「一番最初に感謝したいのは親。俺らを作ったのはオヤジ。基礎ができてボクシングをやる兄弟になった。そのおかげでいいボクシング人生になっている。親に感謝です」

――正規王座への意気込み。

優大「間違いなく俺たちの方が強い。早くやりたい。ギンちゃんは顔が痛そうだからちょっと空けて(笑)。明日から練習始めようかなっていうくらいの勢い。もっとバチバチ、ボコボコにやりたい」

銀次朗「あの日の屈辱を返すとかじゃなくて、俺は早くこの階級で一番と証明したい。勝たないと証明できない。やってくれるならズルなく公平な試合をできれば。勝つ自信はもちろんある。ただ、今日も課題はいっぱい残ったので、今後の全選手に勝つためにまだまだ強くならないといけない」

(THE ANSWER編集部)


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