重岡兄弟、両者KO勝ちで兄弟世界王者の夢成就 兄・優大「銀次朗が横にいなければここにいない」
ボクシングのWBC世界ミニマム級暫定王座決定戦12回戦が16日、東京・代々木第二体育館で行われ、世界初挑戦の同級3位・重岡優大(ワタナベ)が同級7位ウィルフレッド・メンデス(プエルトリコ)に7回25秒KO勝ちした。この日は、弟の銀次朗(ワタナベ)もIBF同級暫定王座決定戦に臨み、レネ・マーク・クアルト(フィリピン)に9回2分55秒KO勝ち。興毅、大毅、和毅の亀田3兄弟、井上尚弥&拓真以来となる日本人3組目の「兄弟世界王者誕生」となった。同日同階級では世界初。リングインタビューで兄の優大は「ここがゴールじゃないと手にとって分かる。むしろここからがスタート。強くならなきゃと改めて強く思っている」と語った。
亀田3兄弟&井上兄弟に続く日本人3組目の快挙、同日同階級では世界初
ボクシングのWBC世界ミニマム級暫定王座決定戦12回戦が16日、東京・代々木第二体育館で行われ、世界初挑戦の同級3位・重岡優大(ワタナベ)が同級7位ウィルフレッド・メンデス(プエルトリコ)に7回25秒KO勝ちした。この日は、弟の銀次朗(ワタナベ)もIBF同級暫定王座決定戦に臨み、レネ・マーク・クアルト(フィリピン)に9回2分55秒KO勝ち。興毅、大毅、和毅の亀田3兄弟、井上尚弥&拓真以来となる日本人3組目の「兄弟世界王者誕生」となった。同日同階級では世界初。リングインタビューで兄の優大は「ここがゴールじゃないと手にとって分かる。むしろここからがスタート。強くならなきゃと改めて強く思っている」と語った。
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直前の試合で9回KO勝ちした弟のバトンを受けた優大。サウスポー同士の対戦は両者とも冷静な立ち上がりだった。4回、徐々に距離を詰める優大はワンツーやボディーを繰り出した。距離を取る相手に“来い来い”と挑発するジェスチャーも。圧力をかけた5回終盤、クリンチ際でバランスを崩した相手に左ストレートを打ち下ろし、ダウンを先取した。7回にも左ボディーでダウンを奪取。コーナーに登り、ドヤ顔で胸を張った。
弟の銀次朗は初回にダウンを喫しながら、左ボディーで3つのダウンを奪う逆転KO勝ち。会見では「今日は兄貴の誕生日でもあるので、何が何でも勝って繋げないといけないというプレッシャーがあった」と語っていた。銀次朗は試合直後にもかかわらず兄のセコンド入り。兄弟世界王者が同じ日に同じ階級で誕生した。
リングインタビューで「皆さん応援ありがとうございました!」と感謝した優大は「言い訳させてください、ギンがあんなに熱い試合して、控室で泣きそうになっていた。ウルウル来ていた」と、弟の試合直後の心境を明かした。
「ここがゴールじゃないと手にとって分かる。むしろここからがスタート。強くならなきゃと改めて強く思っている」と話した優大。弟の銀次朗もリングに上がり、「さっき兄貴が言った通り、夢は叶えたが、もっと大きく強くなりたい。2人でボクシング界を盛り上げるつもりでやっている。もっと強くなって、もっと目立って行きたい」と同調した。
優大は最後に兄弟の絆も感じさせた。「正直僕、弟よりダメな部分、だらしない部分があったが、こいつが横にいなかったらここに立っていない。一緒に横に立って、いけるところまで行ってやろうと思っている。僕たちはどこまでも強くなって上を目指す。これからも応援よろしくお願いします」と呼び掛けていた。
兄弟で空手を始め、優大は中学1年、銀次朗は小学4年でボクシングに転向。父・功生さんの厳しい指導を受けた。熊本・開新高では優大が4冠、銀次朗が5冠を達成。弟が先にプロ転向し、兄は拓殖大で全日本選手権を制してからワタナベジムに入門した。ともにWBOアジアパシフィック王座、日本王座を獲得。兄弟同時の世界戦開催へとたどり着いた。
熊本地震から7年。当時、被災した銀次朗は1週間の車中生活を経験した。大学で都内にいた優大は飲料水を持って帰省。今回のダブル世界戦に向け、優大が「熊本への誇りもあるし、熊本が大好き。家族、友だちも熊本にいるし、熊本の人たちをちょっとでも盛り上げていきたい」と言えば、銀次朗も「熊本の皆さんはどうしても地震を思い出す日。暗い日になってしまうけど、その日をほんの少しでも明るい日にしたい」と活躍を誓っていた。
元世界3階級制覇王者・亀田興毅氏がプロデュースするボクシングイベント「3150FIGHT Vol5」として行われた今回の興行。初の東京開催となり、ABEMAで無料生配信された。日本の兄弟世界王者は興毅、大毅、和毅の亀田3兄弟、井上尚弥&拓真の2組だけ。日本人で同じ日に兄弟同時の世界王座戴冠は過去になく、同日同階級に限れば世界でもいなかった。
(THE ANSWER編集部)