WBA世界バンタム級王座決定戦でソリスに判定勝ち

　ボクシングのWBA世界バンタム級1位・井上拓真（大橋）が8日、東京・有明アリーナで行われた同王座決定戦で同級2位リボリオ・ソリス（ベネズエラ）に3-0で判定勝ちした。2018年12月のWBC同級暫定王座に次ぐ2度目の世界王座戴冠を目指した一戦。兄・尚弥（大橋）が返上した同級のベルト争奪戦が激しさを増す中、最初の“後継者”は拓真に決まった。

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　尚弥と父でトレーナーの真吾氏らを伴って入場した拓真は、リーチの長いソリスを相手に終始優位に試合を進めた。5回には偶然のバッティングで左目上から出血するも、荒々しく攻撃を繰り出す相手に「来い」の仕草を見せる余裕も。判定で王座戴冠し、リング上で悲願のベルトを腰につけて両手を掲げた。

　以下、拓真の会見一問一答。

――試合を終えての感想は。

「1本目のベルトをしっかり獲れてホッとしている」

――判定を待つ間、尚弥と話しているときに笑顔が見えた。

「やっていてパンチもそんなにもらっていないので、ポイントでは勝ってるかなと思っていた。採点を待つ時は勝利を確信していた。ホッとしたという笑顔です」

――今日の作戦とそれを貫いた理由は。

「右を合わせるのはずっとやってきたこと。試合のテーマが完封することだったので、まず貰わないこと、自分の距離を徹底すること。まだまだ足りないことはあるが、伸びしろはまだあると自分でも感じた」

――5回に左目の上をカットし、6回で相手を挑発する仕草もあったが。

「ロープを背負う部分もあったが、貰ってないし、カットして集中力を落としていないというアピールの一部でやったこと。意図的なものはない。試合中のアクシデントはしょうがない。初めてのカットだったので、集中力を落とさず戦えたので収穫になった」

――4団体統一への思いは。

「兄が持っていた4つのベルトに自分が挑戦する、兄が手放した4つを自分が集める。今の一番の目標」

――兄・尚弥から言葉を貰ったか。

「まだそこまではないが、とりあえず『おめでとう』ということだった」

――かつてWBC同級暫定王座に就いたが、19年11月に敗れて団体内の王座統一に失敗した。それ以来の戴冠。

「負けてからボクシングを見つめ直したのが大きい。国内の強豪と戦えて来て、自分のキャリアで成長できた。負けてから見つめ直したのが大きい。しっかり準備できて、ここでしっかり獲れたので、負けてからのキャリアが凄く充実していた」