寺地拳四朗、9回TKO勝ち&2団体防衛に涙 激闘に「本当に心が折れかけて…」井上尚弥に次ぐ2人目快挙
ボクシングのWBA&WBC世界ライトフライ級統一王者・寺地拳四朗(BMB)が8日、東京・有明アリーナで行われたWBA4位&WBC15位アンソニー・オラスクアガ(米国)との2団体防衛戦で9回0分58秒TKO勝ちした。約2週間前に急きょ対戦相手が変更されたが、WBAは初、WBCは2度目の防衛を達成。過去の日本人による2団体同時防衛は、前世界バンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)しかいなかった。オラスクアガは世界初挑戦だった。
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ボクシングのWBA&WBC世界ライトフライ級統一王者・寺地拳四朗(BMB)が8日、東京・有明アリーナで行われたWBA4位&WBC15位アンソニー・オラスクアガ(米国)との2団体防衛戦で9回0分58秒TKO勝ちした。約2週間前に急きょ対戦相手が変更されたが、WBAは初、WBCは2度目の防衛を達成。過去の日本人による2団体同時防衛は、前世界バンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)しかいなかった。オラスクアガは世界初挑戦だった。
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王者・寺地が勝ちきった。積極的に攻めてくるオラスクアガのパンチを貰いながらも、3回残り30秒を切ったところで右のショートが顎を捉えてダウンを奪取。続く4回にも強烈な右のカウンターを浴びせるなどペースを相手に握らせなかった。
激しい打ち合いが続いた7回、寺地がボディーでじわじわと削るも、オラスクアガも折れずに打ち返す。決着は9回、足を止めて打ち合っていたが、最後は寺地のパンチをオラスクアガが耐えきれず。ダウンを喫し、レフェリーが試合を止めた。試合後、感極まった表情も見せた寺地は、激闘を演じたオラスクアガと称え合った。
2本のベルトを肩にかけ、リングインタビューに立った寺地は「本当に心が折れかけた面があり、まだまだ未熟のところがある。チームの支えがあって。チームの優しさに泣いた。一人だったら厳しい戦いだった。本当にありがとうございます」と顔をくしゃくしゃにして涙を拭った。
試合を振り返って「序盤は良いペースだと思うけど、アンソニー選手はびっくりするくらい落ちなくて。あのままのペースで来られたら予想外。最後は気持ちの戦い。そこだけで戦っていたので、チームって本当に凄いなと思いました」と改めて陣営に感謝した。
「(終盤は)ここで折れたら負けやぞ。折れるなと言い聞かせて、『行かな、行かな』と『しんどいな、しんどいな』という自分との戦い。そういう経験は数少ないので、これでまた強くなれたという自信ができて、僕自身もこれから楽しみになった」とも語った。
寺地は昨年11月に京口紘人(ワタナベ)からWBA王座を奪い、日本人5人目の複数団体王座統一に成功。今回の試合は当初、WBO王者ジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)との3団体王座統一戦が予定されていた。しかし、ゴンサレスがマイコプラズマ肺炎に罹り、統一戦は消滅。米合宿のスパーリングで拳を交えたことのあるオラスクアガとの防衛戦に変更された。
サウスポーのゴンサレス対策を積んできたが、オラスクアガは右構え。寺地は急きょ、調整方法の変更を強いられた。右構えとのスパーリングは3日間、いずれも4ラウンドずつだけ。相手の映像を見る時間も「3回くらい。そんなにガッツリ見ている感じではない」と少なかった。
目指していたのは井上に次ぐ日本人2人目の4団体統一。井上、井岡一翔らが王座を返上したばかりのため、前日まで日本人の現役世界王者は寺地しかいなかった。
(THE ANSWER編集部)