那須川天心、ボクシング完勝デビュー! 日本ランカーに3-0判定勝ち「皆さん、那須川天心です。初めまして!」
キックボクシング界で“神童”と呼ばれた那須川天心(帝拳)が8日、東京・有明アリーナで行われた日本バンタム級2位・与那覇勇気(真正)とのスーパーバンタム級ノンタイトル6回戦で3-0の判定勝ち(59-54、60-53×2)を収めた。格闘技で47戦全勝の戦績を残し、ボクシングに転向。異例の注目が集まったデビュー戦で日本ランカーと激突し、終始優勢の完勝だった。
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キックボクシング界で“神童”と呼ばれた那須川天心(帝拳)が8日、東京・有明アリーナで行われた日本バンタム級2位・与那覇勇気(真正)とのスーパーバンタム級ノンタイトル6回戦で3-0の判定勝ち(59-54、60-53×2)を収めた。格闘技で47戦全勝の戦績を残し、ボクシングに転向。異例の注目が集まったデビュー戦で日本ランカーと激突し、終始優勢の完勝だった。
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那須川は登場から一味違った。世界的リングアナウンサーのジミー・レノンJr.氏が呼び込み。「テンシーン! ナスカワー!」の合図に早くも大歓声が響き渡った。入場曲はキック時代と同じ矢沢永吉の「止まらないHa~Ha」。一緒に「Ha~Ha!」と合わせて歌うファンも。リングイン直前にロープにもたれ、客席を見渡しながら頷く。ロープをまたいで拳を突き上げると、熱気はさらに増した。
初回から前に出る与那覇。サウスポーの那須川はフットワークでさばきながら、ワンツー、ボディーを入れた。抜群のスピードでパンチをかわすたびに客席はどよめき。客層は若く、四方八方にいる少年たちから「天心、頑張れ~!」の声が響き続けた。2回、右フックでダウンを先取。スリップ気味だったため、与那覇はやや納得のいかない仕草を取った。
那須川は再開後も手数を緩めず、ペースを掌握。3回、下がりながらも右ストレートを浴びせ、会場を沸かせた。さらに与那覇が右目の上をカット。那須川の有効打と認められた。4回、打たれても前に出る与那覇に対し、冷静に隙を見てワンツーを叩き込んだ。カウンターの左を入れ、ぐらついたところですかさず猛ラッシュ。与那覇はなんとか耐えきった。
那須川が距離を取る展開が続き、迎えた最終6回。受けながらカウンターを入れる場面が目立ち、終始優勢だった。終了のゴングが鳴って両者は抱擁。軍配はジャッジ3者とも那須川に上がった。
格闘技戦績はこの試合前まで47戦全勝(キックボクシングは42戦)。「人生、挑戦を続けたい」とボクシング転向を決断した。名門・帝拳ジムに入り、元世界2階級制覇王者の粟生隆寛トレーナーに師事。2月のプロテストに合格した。SNSなどでのプロモーション活動にも自ら力を注ぎ、「主演・僕、制作・僕、監督も僕。戦うのも俺。入場から全てを通して僕の大会にしたい」と主役宣言をしていた。
この日は全6カードのうち4試合目。会場にはファンが殺到し、グッズ売り場には長蛇の列が出来上がった。メインイベントでは、WBA&WBC世界ライトフライ級統一王者・寺地拳四朗(BMB)が、挑戦者のWBA4位&WBC15位アンソニー・オラスクアガ(米国)と対戦。セミファイナルのWBA世界バンタム級王座決定戦では、同級1位・井上拓真(大橋)と同級2位リボリオ・ソリス(ベネズエラ)が激突する。
米スポーツ専門局「ESPN」の配信サービス「ESPN+」など海外でも生配信された興行。日本の報道陣も会場に集結し、那須川は高い注目を受けた中でデビュー戦を終えた。
試合後のインタビューで「こんばんは。ボクシングファンの皆さん、那須川天心です。初めまして!」と元気に挨拶し、歓声を浴びた。まずは「与那覇選手的にメリットなかったと思うけど、僕のデビュー戦を受けてくれて感謝しています。与那覇選手に大きな拍手をお願いします!」と与那覇を労った。
試合を振り返って、那須川は「初めて6ラウンドやって。試合前は『本当に俺、試合するんだ』って。6ラウンドを戦うのも分からないし、自分の中でふわふわした変な感覚はあったけど。倒せはしなかったけど、ちゃんとダウンを取って勝てたので、これで『ボクサー・那須川天心』として、みんな見てくれるんじゃないかと思うんだけど、どうですか?」と呼びかけ、歓声を浴びた。
「これが限界じゃないんで。まだしっかりとボクシングを始めて半年。ここから進化して、最高のチームに恵まれているので、ボクシングでも必ず世界を獲ろうと思っています!」と強気に語った。
(THE ANSWER編集部)