日の丸でWBC参戦、初の国外選手ヌートバーとは何者か 日本生まれの母へ抱く特別な思い
3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本代表入りした米大リーグ・カージナルスのラーズ・ヌートバー外野手。米アナリストのポッドキャスト番組でロングインタビューに応じ、日本生まれの母への熱い思いや、幼少期からあった日本との縁について語り尽くした。
日本名「榎田達治」、背番号23 米番組のロングインタビューで語り尽くす
3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本代表入りした米大リーグ・カージナルスのラーズ・ヌートバー外野手。米アナリストのポッドキャスト番組でロングインタビューに応じ、日本生まれの母への熱い思いや、幼少期からあった日本との縁について語り尽くした。
25歳のヌートバーは2018年のドラフト8巡目、全体243位でカージナルスからドラフト指名を受けた右投げ左打ちの外野手。2021年にMLBデビューし、58試合に出場。昨季は108試合と出場試合数を伸ばすだけでなく、打率.228だったものの14本塁打を放つなど成長。強肩ぶりなども評価され、将来有望とされる一人だ。
そんなヌートバーはなぜ日本代表入りしたのか。米スポーツ専門局「FOXスポーツ」のアナリスト、ベン・バーランダー氏が司会を務めるポッドキャスト番組「フリッピン・バッツ・ポッドキャスト」に出演し、日本への思いも語った。「私は野球一家に生まれたんだ。兄もやっていたし、母もソフトボールを、父も幼い頃に野球をやっていたんだ」と野球に囲まれて育ったことを回想した。
母親は日本生まれ日本育ち。「彼女は幼い頃から大の野球ファンとして育ったんだ。私たちはできるときはいつでも甲子園のトーナメントを見ていた。彼女は大リーグに来ることになる日本の若い才能を誰よりも早く知っていたんだ」と母親の影響で日本の高校野球に触れていたことを明かした。
2006年、高校日本代表が米国に遠征した際には、ヌートバー一家がホストファミリーの1つとして日本の高校球児を迎え入れた。当時9歳だったヌートバーは早実のエースだった斎藤佑樹氏らと交流。「彼らはプロのようだった。大リーガーのようだった。私はとても興奮していたよ。両親が私のベッドを奪って、ソファで寝ることになっても気にならなかったね」と笑顔で振り返った。
バーランダー氏はリトルリーガーだった頃のヌートバーがカメラに向かって「コンニチワ!」と日本語で挨拶する動画を紹介。映像には英語で「背番号21のラーズ・ヌートバー、日本人です。いつか僕の母国、日本を代表して戦いたいです」と夢を語る姿が納められている。これを見て恥ずかしそうに笑ったヌートバーは、夢が叶ったことを「とても非現実的なこと」と表現した。