ジャンプスーツ不正蔓延を告発 匿名選手にドイツから反発、検査は「とても公平だよ」
ノルディックスキー・ジャンプで近年課題になっているスーツ問題について、海外の現役ジャンパーが不正の温床になっている検査の形骸化を匿名で告発。スイス大衆紙「ブリック」が報じていたが、これにドイツ選手たちが反発している。スポーツ専門局「EUROSPORT」ドイツ語版は「スキージャンプ:W杯で意図的な不正行為か?ドイツ選手、物議をかもした発言に反応」との見出しで選手たちの声を伝えている。
現役選手が匿名で検査の形骸化を暴露、ドイツ選手が反発
ノルディックスキー・ジャンプで近年課題になっているスーツ問題について、海外の現役ジャンパーが不正の温床になっている検査の形骸化を匿名で告発。スイス大衆紙「ブリック」が報じていたが、これにドイツ選手たちが反発している。スポーツ専門局「EUROSPORT」ドイツ語版は「スキージャンプ:W杯で意図的な不正行為か?ドイツ選手、物議をかもした発言に反応」との見出しで選手たちの声を伝えている。
「ブリック」の記事では、年末年始に行われた伝統のジャンプ週間で「ライバルたちが明らかに大きいスーツで飛距離を出していたのだ。インチキを非難する声は大きくなっている」などと主張。さらに、匿名である現役選手が「最近は用具検査を真剣に受け止めていない」と、検査が形骸化していることを暴露したことを紹介した。
この選手は、最近のワールドカップ(W杯)オーストリア・クルム大会にはサイズオーバーしたスーツで出場したが、スタート前の検査はパスし、競技後は検査を受けることなく通り過ぎたと明かしたという。不正の手法は「スーツを上に引っ張ると肩の部分に余裕が生まれる」というもの。スタート前の検査を受ける際の体勢で、4センチほどスーツが上体にずれ、浮力を受けやすい股下のむささび部分を規定内に収めるものとみられる。
記事ではこの選手が「実際、どの選手もインチキをしているから自分もやらなければならない。やらなかったらノーチャンスだ。もっと早くに手を打たなければならなかった。もう検査は意味をなしていない。そうでなければ半数の選手が失格になるはず」と語ったことも報じている。
これに対し「EUROSPORT」ドイツ語版は「先日、匿名の現役スキージャンパーが自身とライバルの多くが用具検査でインチキをしていると発言したことが騒動になっている。ドイツの選手たちは母国開催のWヴィリンゲン大会でこの発言に対し強く反発した」として、同国の選手の声を紹介している。