国枝慎吾が引退会見、競技27年「決意しました」 ユニクロ柳井会長「新しい国枝の誕生」
車いすテニスの国枝慎吾さんが7日、都内にある所属先のユニクロ有明本部で現役引退会見を行った。4大大会では男子世界歴代最多50度の優勝を誇り、4大大会とパラリンピックで優勝する「生涯ゴールデンスラム」を達成した38歳。先月22日に世界ランク1位のままSNSで引退を報告した世界的レジェンドが、約27年の競技人生を振り返った。
都内で引退会見
車いすテニスの国枝慎吾さんが7日、都内にある所属先のユニクロ有明本部で現役引退会見を行った。4大大会では男子世界歴代最多50度の優勝を誇り、4大大会とパラリンピックで優勝する「生涯ゴールデンスラム」を達成した38歳。先月22日に世界ランク1位のままSNSで引退を報告した世界的レジェンドが、約27年の競技人生を振り返った。
会見には約200人の報道陣が集結。20台以上のテレビカメラが主役を捉え、ネットなどでも生中継された。会見は冒頭のムービーに続き、ユニクロの柳井正会長兼社長があいさつ。「新しい国枝慎吾の誕生、めでたい日であります」「今日がスタート。一緒に、世界の中の日本をより良く変えていきましょう」などと祝福とエールを送った。
国枝さんは続けて「東京パラリンピックが終わってずっと引退について考えていました。グランドスラムのうち3つを獲得してきて、昨年は最後に残されたウィンブルドンで優勝。その時にチームと抱き合って一番最初に出た言葉が『これで引退だな』と。それが最初に出た言葉。その後に全米オープンが終わってからも、『もう十分やりきったな』とふとした瞬間に出てきました。そのままやってもいいのかなとなって、これはそういうタイミングなのだなと決意しました」などと語った。
国枝さんは9歳の時に脊髄腫瘍を発症し、下半身麻痺に。小学6年で車いすテニスに出会った。4大大会は男子シングルス通算28度、ダブルスは22度優勝。シングルスでは全豪11回、全仏6回、ウィンブルドン1回、全米7回の優勝を誇る。
パラリンピックは2004年アテネから、日本選手団の主将を務めた21年東京まで5大会連続出場。シングルスでは08年北京、12年ロンドン、東京で金メダルを獲得した。アテネではダブルスでも優勝。昨年7月のウィンブルドンを初めて制し、パラリンピックの金メダルと合わせた「生涯ゴールデンスラム」を男子で初めて達成した。
引退を発表後、岸田文雄首相が国民栄誉賞の授与を検討する考えを示した。国民栄誉賞は過去に27例あり、国枝さんが受賞すればスポーツ界では2018年7月のフィギュアスケート・羽生結弦以来13例目。パラスポーツ界で初となる。
(THE ANSWER編集部)