新谷仁美の日本記録>五輪の方針に日本陸連が本音 瀬古利彦氏「五輪にも出てほしい」
大阪国際女子マラソンが29日、大阪・ヤンマーフィールド長居発着の42.195キロで行われ、レース後に日本陸上競技連盟が会見した。15日に日本歴代2位の2時間19分24秒をマークした新谷仁美(積水化学)が、2024年のパリ五輪には出場せず日本記録更新を目指す方針を示したことに対し、瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダーは本音を吐露した。
大阪国際女子マラソン後に瀬古利彦氏らが会見
大阪国際女子マラソンが29日、大阪・ヤンマーフィールド長居発着の42.195キロで行われ、レース後に日本陸上競技連盟が会見した。15日に日本歴代2位の2時間19分24秒をマークした新谷仁美(積水化学)が、2024年のパリ五輪には出場せず日本記録更新を目指す方針を示したことに対し、瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダーは本音を吐露した。
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新谷は15日のヒューストン・マラソンに出場し、野口みずきさんの持つ日本記録2時間19分12秒にあと12秒に迫る好記録を叩き出した。今後はパリ五輪選考会のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC、23年10月15日開催)には出場せず、9月のベルリンマラソンで日本記録更新を狙う方針。サポートしてくれる人たちに対し、結果で恩返しすることを信条に掲げ、現時点でパリ五輪を視野に入れていないことを明言している。
記録が出やすいとされるベルリンマラソンとMGCの両方に出場することは日程的に難しい。この日は大阪国際女子マラソンの総括会見に出席した瀬古氏は、新谷の決断を尊重しながらも、マラソン強化戦略プロジェクトリーダーとして複雑な心境を口にした。
「記録を出すのは陸上競技の基本。記録を出すことは選手の自信にもなります。でも、新谷さんはわからないでしょう(笑)。『マラソンはもうやらない』とか、『世界選手権には出ない』とか言うのも(過去に)聞いたことがありますし、その時の気持ちで発言することが多いので。リーダーの立場としてはMGCに出て、五輪を目指してほしい。(勢いに)乗れば凄い選手。2時間18分台を出せる魅力がある。記録も大事ですが、できれば五輪にも出てほしい思いがあります」
同席した高岡寿成シニアディレクターも「同じ気持ちです。でも、誰かが野口さんの記録を超えないといけない。あれだけの選手が五輪でどれだけ戦えるか見てみたい気持ちもあります。彼女には両方挑戦してほしい」と明かした。
この日は1万メートルの東京五輪代表・安藤友香(ワコール)が2時間22分58秒で日本人最上位の3位に。優勝は2時間21分13秒のヘヴン・ハイル・デッセ(エチオピア)だった。
(THE ANSWER編集部)