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審判不正疑惑の残るアマボクシングの五輪存続へ 日本連盟が世界に新判定システム提案

会見でモニターを使いながら次世代判定システムを紹介した内田会長【写真:浜田洋平】
会見でモニターを使いながら次世代判定システムを紹介した内田会長【写真:浜田洋平】

従来システムとの違いとは

 現在の「10ポイントマストシステム」では、レフェリーがラウンドごとに両者の優劣を判断し、「10-9」「10-8」など採点。パンチの数や攻勢点が同じと判断されても、トーナメントは優劣をつける必要があった。新システムはヒット数によるポイントが明確になり、審判員の技術向上にも役立てられるという。

内田会長「実際、海外ではわかりづらい判定が非常に多い。ルールを理解していないレフェリー、ジャッジもいます。新システムはどの審判がどの場面でミスを犯したのか、審判の優位性も細かく判断できます。10ポイントマストシステムになって不正疑惑が多くなった印象。導入すれば不正だと疑われること自体がなくなります」

 2年ほど前から構想は動き出し、現在は「ライブメディア」と共同開発してきた。日本連盟は11月末の全日本選手権で新システムをテスト。大きな国際大会での正式採用はパリ五輪後を目指しているが、来春の女子世界選手権でもテストを想定しているという。日本から審判員を数名派遣し、海外審判員へレクチャーする機会が設けられる。

内田会長「今までは五分五分であれば、どちらかに10-9をつけなさいというルールでした。新システムは自然と結果が分かれるため、一般の人にもわかりやすく楽しめます。加点方式は見る側にも逆転シーンがわかりやすく確認できるため、ファンに興奮をもたらすと思います。最終的にはジャッジ自体がいらなくなる。そこまで追求していきたい」

 アマは全3回のため、1、2回でポイントを奪えば、最終の3回に逃げ切る、または相手が諦める傾向があり、試合が落ち着くことが目立った。今後は新システムの導入とともにルール改正も必要になる。

 内田会長は「IBAからは開発チームとともにその話(新ルール)を進めるように言われています」と説明。選手のスタイルにも影響を与える可能性があるが、「今までだと1、2回でポイントを取ると、3回は逃げることがありました。逃げるボクシングは減っていくと思う。より攻める、しっかり当てていくボクシングが評価されていく」と見解を示した。

 日本連盟はIBAのウマル・クレムレフ会長のコメントも発表した。

「公平なジャッジを目指す日本連盟・内田会長の活動に感謝申し上げます。各大陸選手権はこれまでにも改革が試みられ、多くの点が改善されました。これからも改善されていくでしょう。このシステムについては、引き続き日本連盟・内田会長に開発を最後までお任せします。私たちは選手たちに公正なジャッジを保障しなければならず、そのために取り組みを続けなければなりません。

 審判団も自ら改善してきましたが、教育面から変えていかなければならないでしょう。さらに改善し、ジャッジのしくみを変えなければならないと思っています。我々はアスリートファーストで取り組み、選手のことを第一に考えなければならない。現在、各大陸連盟の会長は素晴らしい人材がそろっていますが、中でもアジア連盟は指導者もスタッフも素晴らしい。

 内田会長率いる日本連盟は真摯に取り組んでいます。この取り組みにアジア連盟、日本連盟に心から感謝申し上げます。日本連盟には今後(IBAの)各委員会と連携して引き続き開発を委任したいと思います」

(THE ANSWER編集部)


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