「10人の獅子と1人の愚かな若者」 主審の目の前で報復レッド食らった若き貴公子の愚行【W杯事件簿】
1930年の創設から今回のカタール大会で22回目の開催となるFIFAーワールドカップ(W杯)。4年に一度、世界一の称号をかけて激突する大会ではこれまで数々の事件が起こってきた。1998年フランス大会では後に世界を席巻する“貴公子”がまさかのレッドカード退場。母国から猛批判を浴びた愚行を振り返る。
■W杯で起こった事件を振り返る
1930年の創設から今回のカタール大会で22回目の開催となるFIFAーワールドカップ(W杯)。4年に一度、世界一の称号をかけて激突する大会ではこれまで数々の事件が起こってきた。1998年フランス大会では後に世界を席巻する“貴公子”がまさかのレッドカード退場。母国から猛批判を浴びた愚行を振り返る。
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1998年フランスW杯決勝トーナメント1回戦で対戦したイングランドとアルゼンチン。前半はアルゼンチンがバティストゥータ、サネッティが得点し、イングランドはシアラー、オーウェンのゴールで2-2で折り返した。迎えた後半2分、ピッチ中央でパスを受けたイングランドのMFデービッド・ベッカムは背後からアルゼンチンのMFディエゴ・シメオネにチャージを受けて倒れた。
うつぶせに倒れたベッカムは足を上げてシメオネを転倒させた。目の前で見ていた主審はラフプレーのシメオネにイエローカードを提示すると、ベッカムの行為を「報復」と見なして迷わずレッドカード。ベッカムは当時23歳。若さがあだとなった瞬間だった。
これで数的不利となったイングランドはPK戦の末に敗退。グループリーグ第3戦のコロンビア戦で代表初ゴールを決めていたベッカムだったが、それも全て帳消しとなった。英紙「ミラー」からは「10人の勇敢な獅子と1人の愚かな若者」と戦犯扱いを受け、多くの批判を受けるという苦々しいW杯デビューとなった。
(THE ANSWER編集部)