W杯に大統領介入で衝撃のレッド撤回 王国の根回しに応えた「足の曲がった天使」【W杯事件簿】
1930年の創設から今回のカタール大会で22回目の開催となるFIFAワールドカップ(W杯)。4年に一度、世界一の称号をかけて激突する大会ではこれまで数々の事件が起こってきた。1962年チリ大会では退場処分を受けたはずの選手が大一番に出場という前代未聞の出来事が。サッカー王国の信じられない根回しが大きな問題になった。
W杯で起こった事件を振り返る
1930年の創設から今回のカタール大会で22回目の開催となるFIFAワールドカップ(W杯)。4年に一度、世界一の称号をかけて激突する大会ではこれまで数々の事件が起こってきた。1962年チリ大会では退場処分を受けたはずの選手が大一番に出場という前代未聞の出来事が。サッカー王国の信じられない根回しが大きな問題になった。
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王国にはどうしても“その男”が必要だった。1962年チリ大会、準決勝のチリ戦で2得点1アシストの活躍でブラジルの決勝進出に貢献したFWガリンシャ。しかし、試合終了間際に相手選手を蹴ったことで退場し、決勝のチェコスロバキア戦は出場停止になるはずだった。
しかし、ブラジルの関係者は何とかガリンシャを決勝に出場させるため、チリの大統領を通じて審判に“圧力”をかけた。すると、審判は何とレッドカードを撤回。決勝に出場できるようになったガリンシャは高熱をおしてチェコスロバキア戦に出場し、3-1で勝って前回1958年スウェーデン大会に続くブラジルの連覇の立役者となった。この事件はFIFA100周年記念の際に作成されたDVD「FIFA FEVER」の中で「サッカーW杯における世界10大誤審」の第10位として収録されている。
幼少時に小児麻痺を患い、その影響で足が歪曲していたガリンシャ。しかし、ハンデをものともせず、ピッチでは予測不能なプレーを連発したことで「足が曲がった天使」と呼ばれ、後にブラジルが「サッカー王国」と呼ばれる土台を築いた選手だった。
(THE ANSWER編集部)