井上尚弥、11回KOで4団体統一達成! アジア人初&世界9人目の大偉業、4団体全KO奪取は世界初
ボクシングのWBAスーパー&IBF&WBC世界バンタム級(53.52キロ以下)3団体統一王者・井上尚弥(大橋)が13日、東京・有明アリーナでWBO世界同級王者・ポール・バトラー(英国)との4団体王座統一戦に臨み、11回KO勝ちした。軽量級初、アジア人初、世界9人目の4団体王座統一の快挙を成し遂げ、歴代の名だたる伝説的ボクサーたちと肩を並べる大偉業を達成。バンタム級完全制覇で真の階級No.1を証明した。
世界バンタム級4団体王座統一戦
ボクシングのWBAスーパー&IBF&WBC世界バンタム級(53.52キロ以下)3団体統一王者・井上尚弥(大橋)が13日、東京・有明アリーナでWBO世界同級王者・ポール・バトラー(英国)との4団体王座統一戦に臨み、11回KO勝ちした。軽量級初、アジア人初、世界9人目の4団体王座統一の快挙を成し遂げ、歴代の名だたる伝説的ボクサーたちと肩を並べる大偉業を達成。バンタム級完全制覇で真の階級No.1を証明した。
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ついに4団体統一戦のゴングが鳴った。立ち上がりの井上はパンチを打たずに圧力をかける展開。距離を測りながら、1分頃から左右のフックを繰り出していった。バトラーはガードを固めながら小刻みに体を揺らすが、井上は構わずガードの上から叩く。2回、左ボディーを軸にしたコンビネーションが炸裂。相手の反撃も上半身を引いて回避し、完全に主導権を握っていた。
3回、さらに距離を近づけてコーナーに追い詰めると、ストレートなど強烈な右を4発打ちつけた。アッパーやフック、ジャブを織り交ぜて揺さぶりをかけたが、4回も手数が少ないバトラーは足を使って距離を取る極端に防御重視の姿勢。6回、井上はサウスポーにスイッチし、2分を過ぎるとノーガードで誘って揺さぶる。それでも乗ってこない相手に笑みを浮かべた。
7回はノーガードに加えて頭を近づける。中盤には両手を広げ、“打ってこい”とアピールした。8回には後ろに手を組んでまで挑発。9回、小刻みなステップでリズムを変えると、10回には「尚弥」コールが会場に響いた。上半身が赤く腫れるバトラー。11回、ついに均衡を破る。ロープに詰めると、ボディー、フックを浴びせて倒し、1つ目のダウンで決着した。リング上で飛び跳ねて喜ぶモンスター。歴史がつくられた瞬間だった。
ボクシング界にはWBA、WBC、IBF、WBOの主要4団体が存在し、井上は6月にWBO以外の3団体の王座を統一。4団体統一王者は世界でも過去8人しかおらず、これまで最も低い階級はバンタム級より4つ重いライト級だった。4人の王者から1本ずつベルトを奪った選手はおらず、これまでの3本をKOで奪った井上は、「4団体全KO奪取」という世界初の大記録が懸かっていた。
井上の防衛回数はWBAが8度目、IBFが6度目、WBCが初防衛。バトラーはWBOの初防衛に失敗した。
【過去の4団体統一王者】
(1)04年9月【ミドル級】バーナード・ホプキンス(米国)
(2)05年7月【ミドル級】ジャーメイン・テイラー(米国)
(3)17年8月【スーパーライト級】テレンス・クロフォード(米国)
(4)18年7月【クルーザー級】オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)
(5)21年5月【スーパーライト級】ジョシュ・テイラー(英国)
(6)21年11月【スーパーミドル級】サウル・アルバレス(メキシコ)
(7)22年5月【スーパーウェルター級】ジャーメル・チャーロ(米国)
(8)22年6月【ライト級】デビン・ヘイニー(米国)
(THE ANSWER編集部)