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自らFKを蹴る型破りGKチラベルトの今 通算8得点の“二刀流”は来年に大統領選出馬

サッカーのカタール・ワールドカップ(W杯)は連日熱戦が繰り広げられている。なかには「4年に一度のW杯だけは観ている」あるいは「昔はよく見ていたけど、最近は…」という人もいるだろう。そんなファン向けにかつてW杯に出場し、話題になった海外選手をプレーバック。懐かしい“あの人”の今をお届けする。今回は守護神でありながらプレースキッカーの名手として知られ、1998年と2002年の2大会に出場したパラグアイ代表GKホセ・ルイス・チラベルト。

W杯にパラグアイ代表で出場したホセ・ルイス・チラベルト【写真:Getty Images】
W杯にパラグアイ代表で出場したホセ・ルイス・チラベルト【写真:Getty Images】

【W杯あの海外選手は今】02年日韓大会 パラグアイ代表GKホセ・ルイス・チラベルト

 サッカーのカタール・ワールドカップ(W杯)は連日熱戦が繰り広げられている。なかには「4年に一度のW杯だけは観ている」あるいは「昔はよく見ていたけど、最近は…」という人もいるだろう。そんなファン向けにかつてW杯に出場し、話題になった海外選手をプレーバック。懐かしい“あの人”の今をお届けする。今回は守護神でありながらプレースキッカーの名手として知られ、1998年と2002年の2大会に出場したパラグアイ代表GKホセ・ルイス・チラベルト。

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 サッカーで唯一、手を使える選手であるゴールキーパー(GK)は、最後尾にどっしりと構えて相手の攻撃から自軍ゴールを守る者――。そんな常識を覆し、自らドリブルで攻め上がったり、プレースキックを担当してゴールを決める規格外GKが、1980年代から2000年代にかけて中南米に続々と現れた。先駆けとなったのはコロンビア代表で活躍し、“スコーピオンキック”でも知られたレネ・イギータ。さらに小柄ながら抜群の身体能力でGKとFWを兼務したメキシコのホルヘ・カンポス、GKとして歴代最多131ゴールのギネス記録を持つブラジルのロジェリオ・セニと稀代の個性派守護神が並ぶが、そのなかでも特に多くの人の記憶に刻まれているのが、パラグアイ代表で一時代を築いたGKチラベルトだろう。

 その存在が最初に世界に広く知れ渡ったのは、アルゼンチンのベレス・サルスフィエルド時代。自らFKやPKを決める守護神としてチームの躍進を支え、1994年のコパ・リベルタドーレスを制して南米王者に。同年のトヨタカップ(現・FIFAクラブワールドカップ)で来日すると、欧州王者ACミランを2-0で破って世界一に輝き、その個性的なプレースタイルとともに注目を集めた。

 パラグアイ代表でも長年にわたって活躍し、W杯南米予選などの重要なゲームでPKを決めるなど、国際Aマッチで8ゴールを記録。W杯には1998年のフランス大会と2002年の日韓大会に2度出場し、得点こそ決められなかったものの、“本職”の守備で安定した活躍を見せ、2大会連続でベスト16に進出している。

 なお日韓W杯で、パラグアイ代表は長野県松本市で事前キャンプを実施。新設された長野県松本平広域公園総合球技場(現・サンプロ アルウィン)で本大会に向けたトレーニングを行い、地域の人たちとも触れ合った。それを記念して、02年から小中学生年代のサッカー大会「チラベルトカップ」がスタート。現在も毎年開催されており、Jリーグ・松本山雅FCのホームタウンにはパラグアイ代表GKの名が今も残されている。

 04年の引退後は解説者を務める一方、実業家に転身。また現役時代から「ピットブル」の愛称で親しまれたとおり、口が悪く時に攻撃的な性格はピッチを離れても健在だ。英紙「ザ・サン」によれば、17年にはアルゼンチンの英雄ディエゴ・マラドーナのことを「パンケーキ」と呼び、「中間に金があれば、彼は変節し、最も困窮している人たちをサポートしないといけないことを忘れてしまう」と批判。さらに南米サッカー連盟の会長も、「牢屋にいる人間よりも堕落している」と痛烈に批判している。

 20年12月24日には、23年のパラグアイ次期大統領選挙に出馬する意向であることを発表。海外サッカーメディア「90min」は、「現役時代から政治的な意見を隠さず、その革新的なスタンスにより、チェ・ゲバラと比較されることもあった」と綴り、パラグアイ政府の腐敗を長年指摘していたチラベルトは「責任逃れはもうたくさん。腐敗はもうたくさん。パラグアイの人民からの略奪はもうたくさん」とツイッターに記している。

 そして今年6月、来年4月に行われる大統領選挙への出馬を表明。57歳になったパラグアイサッカー界の英雄が、母国の新たなリーダーとなるのか、その行方が注目される。

(THE ANSWER編集部)

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