日本代表にまつわる名場面を回顧「折り鶴」

　サッカーのカタール・ワールドカップ（W杯）に出場した日本代表はグループリーグでドイツ、スペインという強豪を破り、2大会連続16強を達成。日本中に感動を巻き起こし、8日にチームは解散した。ここでは大会中にあった日本代表にまつわる名場面を回顧。今回は日本代表の折り鶴。試合後に整理整頓して去ったロッカールームに残した贈り物は、海外メディアからも大きな注目を浴び、特に最後のクロアチア戦では1羽だけ向いている方向が話題になった。

「真ん中の青い鶴だけ上向いてる」
「泣ける」
「未来に羽ばたく感じでカッコイイです！」

　ファンからこんな声が上がったのは、決勝トーナメント1回戦のクロアチア戦で敗れた試合後のロッカールームだった。

　ゴミ一つなく、ハンガーからティッシュケースまで綺麗に整頓され、中央の台の上に「ありがとう！」「SAMURAI BLUE JAPAN」などのメッセージとともに折り鶴も置かれた。特に、中央の紙コップに入れられた大きな鶴が向いている方向が注目の的に。まるで未来を見据えるように上を見上げていたのだ。

　最初に注目されたのは、グループリーグ初戦のドイツ戦だった。2-1で逆転勝ちした試合後、FIFA公式ツイッターが整理整頓されたロッカーにメッセージと折り鶴が残された様子を紹介。これを発端に大きな注目を集め、以降は敗れたコスタリカ戦でも、勝ったスペイン戦でも同様に行い、そのたびに海外メディアやファンから「立つ鳥跡を濁さず」「日本代表は普通じゃない」「真の一流だ」などと称賛されることになった。

　また、ロッカールームのみならず、滞在した宿舎にも折り鶴と感謝のメッセージを残したことを代表専属シェフ・西芳照氏が自身のツイッターで紹介。「これ見てまたしんみり」「ここにも折り鶴」「ブラボーと言わせて」などの声が日本人から寄せられた、話題になっていた。

　選手たちの躍進とともにスポットライトを浴びた日本らしい文化と振る舞いは、今大会の象徴的な出来事になった。