強豪中学で八村塁の1年後輩 Bリーグ富山の193cm“長身PG”、飴谷由毅の挑戦が面白い
相手陣内にボールを運ばなければ、そもそも攻撃が始まらない。それはバスケットボールに限らないボールゲームの鉄則だ。
若手を育てる浜口炎HC「飴谷はダイナミックなPGになれる」
相手陣内にボールを運ばなければ、そもそも攻撃が始まらない。それはバスケットボールに限らないボールゲームの鉄則だ。
ただ今季のB1リーグ・富山グラウジーズはボールの運び役、ハンドラーが丸ごと入れ替わっている。宇都直輝(→バンビシャス奈良)、阿部友和(→ライジングゼファー福岡)、上澤俊喜(→広島ドラゴンフライズ)と3人のポイントガード(PG)が他チームに移籍。ビッグマンながらハンドラーとしての役割を果たしていたジュリアン・マブンガ(→宇都宮ブレックス/11月14日に契約解除)も富山を去った。
もっとも選手の入れ替わりはプロスポーツの常であり、富山は過去にもキャリアの浅い若手選手を育てながら一定の結果を出してきたクラブ。浜口炎ヘッドコーチ(HC)がどう“やりくり”を見せるか、それを観察するのは面白い。
12月4日の名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦(81-93)を終えて、富山は4勝12敗と大きく負け越している。しかし試合を取材すると、今後に向けた興味深い“仕掛け”が見て取れた。
今季のメインPGを務めているのは新加入のコーディ・デンプスだ。浜口HCはこう説明する。
「昨シーズンからビッグビッグで、ジョシュ(スミス)とブライス(ジョンソン)の4-5(パワーフォワードとセンター)の2人で出ている時間が長かった。今はコーディに頼る時間が長くなっている」
Bリーグの外国籍選手のエントリーは3名で、オン・ザ・コート(同時起用)は2名。「80分を3名で分け合う」ことを考えた場合、ジョシュア・スミスとブライス・ジョンソンが30分、デンプスは20分というのが大まかな“枠”だろう。いずれにせよデンプス“だけ”にシーズンを任せることは不可能だ。
2番手、3番手としてプレータイムを得ているのが2人の23歳。プロ2季目の飴谷由毅と、中京大から加入した浦野泰斗がPGとして起用されている。飴谷は193センチ・80キロと“PG離れ”したサイズの持ち主。元々はウイングで、大学4年のシーズンはコンボガードに挑戦したが、PGのキャリアは乏しい。
浜口HCは言う。
「飴谷はサイズが大きくて手足も長いので、ダイナミックなPGになれる可能性があると思います。浦野は小さいけれどスピードがあって、非常に賢い選手。どちらをメインにというわけではないですけど、競争させながら、成長させていきたい」