世界柔道内定の阿部詩、怪我で欠場よぎり自問自答「ここで立ち向かわなくてどうする」
欠場がよぎりながら自問自答
今大会も優勝なら来年の世界選手権に内定する。しかし、2週間前に右膝を痛めた。2日間練習を休み、「不安要素があった」。体調も優れず、鼻声になるほど。今大会に出なくても、年明けに結果を出す選択肢もある。欠場がよぎりながら自問自答した。
「ここで立ち向かわなくてどうする」
五輪と世界選手権を制した女王。プライドを胸に畳に立った。支えてくれるチームは「全力応援」と書かれたTシャツを着用。袖を通した兄も客席から見守り、拍手を送ってくれた。
「この大会を乗り越えれば、自分のさらなる進化に繋がると思って出場を決めました。プレッシャーに打ち勝っていきたいと思っていた。地力が上がったと思う。五輪前よりさらに進化している」
19年大会も優勝なら東京五輪代表内定だった状況で準優勝。大粒の涙を流したが、今回は内定を意識しないよう努め、成長を示した。「まずはドーハ世界選手権で優勝して、五輪でも連覇できるようにしたいです」。あと1年7か月。まだ強くなれる。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)