世界柔道内定の阿部詩、怪我で欠場よぎり自問自答「ここで立ち向かわなくてどうする」
柔道のグランドスラム(GS)東京大会第2日が4日、東京体育館で行われた。女子52キロ級決勝では、東京五輪金メダルの阿部詩(日体大4年)が志々目愛(了徳寺大職)に延長の末に反則勝ち。日本では4年ぶりのGS大会優勝を果たした。来年5月の世界選手権(ドーハ)代表に内定。2週間前に右膝を痛め、欠場もよぎりながら「進化」を証明した。
柔道グランドスラム東京
柔道のグランドスラム(GS)東京大会第2日が4日、東京体育館で行われた。女子52キロ級決勝では、東京五輪金メダルの阿部詩(日体大4年)が志々目愛(了徳寺大職)に延長の末に反則勝ち。日本では4年ぶりのGS大会優勝を果たした。来年5月の世界選手権(ドーハ)代表に内定。2週間前に右膝を痛め、欠場もよぎりながら「進化」を証明した。
阿部は体は万全ではなくても、心で戦った。決勝の相手は、何度も対戦してきた互いに手の内を知り尽くす志々目。技を仕掛けても簡単に決まらない。激しい攻防はゴールデンスコア方式の延長戦にもつれた。計8分5秒で志々目に3つ目の指導。「なかなか技を決めきれなかったけど、最後まで諦めずにやれた」。大きな喜びを表すことなく、相手と握手した。
「なかなかコンディションが整わず厳しい試合になるかなと思っていた。調整は思うようにいかなかったけど、メンタルだけはしっかり高めようと思っていました」
昨年の東京五輪では、男子66キロ級の兄・一二三と兄妹同日金メダルの快挙を達成。五輪後に両肩にメスを入れた。復帰戦となった4月の全日本選抜体重別選手権は準決勝で棄権。「自分の柔道ができずどうなることかと思っていた」。それでも、代表入りした10月の世界選手権では19年以来3度目の優勝を飾ってみせた。