宿敵阿部一二三とのパリ五輪争い 丸山城志郎は心の不調を告白「心技体をつくれない」
1敗もできない厳しい道のり「今日みたいな気持ちなら、いつか負ける」
優勝したものの、内容が求められる立場。阿部との代表レースで差を詰めることはできなかった。男子日本代表の鈴木桂治監督は「(精神面は)苦しいでしょうね。非常にギリギリのところで戦っている。変則的な大会の流れも苦しいと思う」と慮る。丸山は自らを責めるように「甘い」と繰り返した。
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「自分が甘い。今日みたいな気持ちで戦っていたらいつか負ける。今回の試合で甘さがあった。あの大野(将平)先輩でも精神的な部分で苦労している。苦しんでいるのを見て、自分はまだまだ甘いなと。中途半端な気持ちで試合に臨まない。今回、やるからには全てを懸けないといけないと学びました」
次戦は未定。まだ来年5月の世界選手権代表に選ばれる可能性もある。鈴木監督は「彼は阿部一二三という偉大なチャンピオンに挑まないといけない。一二三も余裕をこいている場合じゃない」と2人の奮起を願った。
丸山は五輪出場、夢の金メダルまで1敗もできない状況は変わらない。
「ここで負けたらほぼ終わりに近い状態だった。その中で勝ち抜けたのは今後に繋がる。またゼロからつくらないといけない。もし世界選手権の代表に選んでもらえたら、そこに向けて全力でつくり上げてまた世界一になりたい。優勝してパリ五輪への道を自分の力で切り拓いていきたい」
東京五輪を逃し、泣いた。もう、あんな想いはしたくない。道は一つ。やるしかない。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)