「勝つと本気で思っとる人は違うんよ」 優しさの仮面を被った鬼・森保一に久保竜彦は痺れた
サッカーのカタール・ワールドカップ(W杯)は23日、日本がドイツに2-1で逆転勝ち。大金星を挙げた。1点を追う後半、途中出場の堂安律、浅野拓磨が続けて得点。元日本代表FW久保竜彦は「THE ANSWER」編集部を訪れ、試合を観戦した。高校からJリーグ広島に入団した当初の先輩で、尊敬する森保一監督が率いる日本の下剋上に熱狂。試合後、インタビューに応じ、ドラゴン節で試合を振り返った。前編では、結婚の保証人にもなってくれた人生の師・森保監督の采配について語った。(取材・構成=THE ANSWER編集部・神原 英彰)
THE ANSWER編集部で日本―ドイツ戦を観戦「森保さんは鬼。優しい顔しとるけど」
サッカーのカタール・ワールドカップ(W杯)は23日、日本がドイツに2-1で逆転勝ち。大金星を挙げた。1点を追う後半、途中出場の堂安律、浅野拓磨が続けて得点。元日本代表FW久保竜彦は「THE ANSWER」編集部を訪れ、試合を観戦した。高校からJリーグ広島に入団した当初の先輩で、尊敬する森保一監督が率いる日本の下剋上に熱狂。試合後、インタビューに応じ、ドラゴン節で試合を振り返った。前編では、結婚の保証人にもなってくれた人生の師・森保監督の采配について語った。(取材・構成=THE ANSWER編集部・神原 英彰)
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興奮したよね。鳥肌立った。俺がゴールを決めた時より嬉しかったけえ。ここに来るまで(酒を)飲んでこなくて良かったわ。最後まで覚えてられんから。
堂安は完全に崩したもんね。浅野は「入った!」という感じやけど。ただ、浅野が決めたの、びっくりした。凄いよね、森保さん。なんで怪我明けの浅野を選んだんかなと。俺もムードメーカーで選んだんかなと思ったけど。あれで使ってね。結果が出るんだから、凄いよね。
采配、やばかったよね。後半、3バックにして「ああ、また守ってカウンターなんかな」と思ったけど。途中交代した選手が効いとった。やっぱり、ずっと見とるけんね、選手のこと。昔からずっと見る人やから。サッカーのために、すべて。勝つために使えるかどうか。鬼。優しい顔しとるけど。勝つために考えとるけえ。
でも、俺も勝てるとまでは思わなかったからな。ドイツやけんね。だから、勝つって本気で思ってやってる人とは違うんよ。これが監督ってことよね。俺が見てきた世界の差とは(いまだに)完全にあると思ってたから。それでも、勝つチームを作るっちゅうのは、やっぱり森保さんのアレよ。
どうしても、何が何でも勝ちたい人というのは選手の頃から感じとった。だから、(チームの)監督の言うこと聞かず、森保さんの横でプレーしてたもん。変わってないじゃん。監督になっても変わってないんだから、何が何でも勝ちたい、強くしたいって自分を犠牲にしてもやる。そういう人なんよ。
もちろん、ドイツの質は全然違った。相手の弱みを見つけるのと、ちゃんと(サッカーを)わかってるやつが、いっぱいおるよね。日本に何人おるか。運が良くて、誰かがいる時はある。中田がおったり、本田がおったり、香川がおったり、時々しか出てこんけど。ドイツはその世代でそれなりに何人もおるわけで。
日本も近いやつは多いけど、まだそのレベルじゃない。だけど、チームの作り方で勝てる。それもサッカー。
やっぱり日本人やけんね。なんちゅうか、日本人に合った、ぐっとくるやり方をしてると思うんよ。岡田(武史)さんも、森保さんもそうやった。両方の監督と一緒にサッカーやったけど、そういうことやと思う。タイプは全然違うけど、芯の部分では共通する部分はあるんやろな。