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日本が揺れた大金星「森保さん、凄い…」 缶ビールを握った久保竜彦は言葉を失った

サッカーのカタール・ワールドカップ(W杯)は23日、日本がドイツに2-1で逆転勝ち。大金星を挙げた。1点を追う後半、途中出場の堂安律、浅野拓磨が続けて得点。元日本代表FW久保竜彦は「THE ANSWER」編集部を訪れ、試合を観戦した。高校からJリーグ広島に入団した当初の先輩で、尊敬する森保一監督が率いる日本の下剋上に熱狂。「朝まで飲まんといけんね。こんなことないでしょ、人生で」。その興奮ぶりをお伝えする。(取材・文=THE ANSWER編集部・神原 英彰、敬称略)

ドイツ戦、逆転ゴールの浅野を労う森保監督【写真:Getty Images】
ドイツ戦、逆転ゴールの浅野を労う森保監督【写真:Getty Images】

THE ANSWER編集部で観戦した日本―ドイツ戦に興奮「朝まで飲まんといけんね」

 サッカーのカタール・ワールドカップ(W杯)は23日、日本がドイツに2-1で逆転勝ち。大金星を挙げた。1点を追う後半、途中出場の堂安律、浅野拓磨が続けて得点。元日本代表FW久保竜彦は「THE ANSWER」編集部を訪れ、試合を観戦した。高校からJリーグ広島に入団した当初の先輩で、尊敬する森保一監督が率いる日本の下剋上に熱狂。「朝まで飲まんといけんね。こんなことないでしょ、人生で」。その興奮ぶりをお伝えする。(取材・文=THE ANSWER編集部・神原 英彰、敬称略)

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 ◇ ◇ ◇

 時計の針が、てっぺんで重なろうとしている。深夜の中目黒で、ドラゴンが興奮していた。

「こんなことある? いや、凄いね。ヤバイね」

 久保の目には、まるで優勝したかのように喜ぶ、サムライブルーのイレブンが映っていた。

 引退後、自然を求めて山口・光市の港町で暮らす。

 サッカー教室に顔を出し、コーヒー焙煎に、塩作りに、と異色のキャリアを歩む。趣味は釣りと酒。今、サッカーはたまに見る程度。自宅にテレビはなく、代表戦を観戦するにも知人の「おっさん」が営む飲食店に足を運んで見るしかない。

 今回、観戦の依頼をすると、快諾してくれた。ドラゴン節を引き出すため、酒を用意し、自由な空間を作った。国歌斉唱で赤髪になった長友を見て「戸田やん」と突っ込み、中継の解説が井原正巳氏、福西崇史氏と知ると「NHK、守備的やな」とつぶやいた。

 キックオフの笛より先に1本目のエビス350mlの「プシュッ」という音が編集部に響く。

 しかし、試合が始まると、現役時代さながらの眼光が宿った。

 前半8分。立ち上がりから劣勢だった日本が、伊東のクロスに前田が合わせ、ゴールネットを揺らす。「うおおおお!」と雄叫びを上げ、一張羅というジャージのポケットからガラケーが落っこちた。「オフサイドか……」

 よもやの展開に、酒を飲む手が止まった。意外と乾き物は食べない。用意されたマスカットを1粒ずつ頬張る。

 前半33分。権田がPKを献上。「いやー!」「ああー!」と言い、沈黙。「止めろ!」と声を上げたが……。頭を抱えた。

 重い空気。冬なのに履いてきたビーチサンダルを脱ぎ、足を放り出す。酒を飲むペースが上がった。

 風向きが変わったのは、後半12分。浅野と三笘が投入されると、2本目のアサヒ350mlに切り替えた。

 これが、奇跡への予兆だった。

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