上田桃子、プロ雀士の言葉を胸に完全V王手 大会3勝目へ「なめられたらいかん」の精神
女子ゴルフの日米共催ツアー・TOTOジャパンクラシック第3日が5日、滋賀・瀬田GC北C(6616ヤード、パー72)で行われた。ツアー通算17勝(海外1勝を含む)の上田桃子(ZOZO)が、7バーディー、3ボギーの68で回って通算14アンダーとし、単独首位をキープ。2007、11年(当時はミズノクラシック)に続く今大会3勝目と完全優勝に王手をかけた。
TOTOジャパンクラシック第3日
女子ゴルフの日米共催ツアー・TOTOジャパンクラシック第3日が5日、滋賀・瀬田GC北C(6616ヤード、パー72)で行われた。ツアー通算17勝(海外1勝を含む)の上田桃子(ZOZO)が、7バーディー、3ボギーの68で回って通算14アンダーとし、単独首位をキープ。2007、11年(当時はミズノクラシック)に続く今大会3勝目と完全優勝に王手をかけた。
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初日から首位を走り、第2日までは日本ツアー勢が上位を席巻。しかし、この日は一時的に首位をジェマ・ドライバーグ(スコットランド)に譲ったことで、日本選手の誇りを胸に奮起したことを明かした。ドライバーグは1打差の2位、3位には通算12アンダーの山下美夢有(加賀電子)がつけている。
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12番パー3。上田はグリーン付近のリーダーボードを確認し、ドライバーグに首位を奪われたことを知った。
「一緒に回っている2人(山下、鈴木愛)もボギーを打っていたので、『こりゃ、いかんぞ。頑張ろう』と思い、ギアを上げました」
このホールで2.5メートルのバーディーパットを沈め、13番パー5でもスコアを伸ばし、再び単独首位に立った。
決して調子は良くなかった。だが、焦らず「リズム感」を大事にし、ショット、パットを繰り返した。頭にあったのは「しなやかに」。プロ雀士で作家・桜井章一氏の著書を読んだことがきっかけだった。
「(直近の)2週連続で予選落ちして、コンビニで見つけた桜井章一さんの本に衝撃的なフレーズが結構ありました。『とにかくしなやかに』や『勝つというより負けない』などで、自分の中では歳や経験を重ねていくと、もう一段落上に行くには、真似るではなく、自分を磨いていくこと、格好をつけずに持っているものを出し切ることが大事なんだと感じました」
上田は耐えながらチャンスを待ち、4つスコアを伸ばした。この日は、母・八重子さんにとって73回目の誕生日。いつも通り、ロープ外で娘のプレーを見守っており、上田は「調子が悪いのは分かったでしょうし、その中で前向きにと気持ちを切り替えていくゴルフが大好きなので、喜んでくれていると思います。こういう位置で回れていることも」と言い、胸を張った。
このまま勝てば、米ツアーを主戦場とするきっかけになった2007年大会、米ツアーメンバーとして出場した11年大会に続く3勝目になる。
「米ツアーメンバーとして出場していた頃は、『やっぱり、日本ツアーはお客さんも多くて最高だな』と思いましたが、今は『(日本ツアー勢が)なめられたらいかんな』という気持ちでいます」
最終日。36歳の上田は、さまざまな思いを胸に1番パー5のティーグランドに立つ。だが、この日の会見では気負いは全く感じられなかった。多くの経験をしてきたベテランが、しなやかに勝ち切るか。ドライバーグ、山下との最終組は、午前9時45分にスタートする。
(THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida)