A東京と日本代表の両立に苦心 バスケ吉井裕鷹、勝利貢献も「実力不足」と語る理由は?
トム・ホーバスがバスケットボール男子日本代表のヘッドコーチ(HC)に就任して、もう1年以上が経つ。彼は所属チームでまだ地位を築けていない若手選手でも、躊躇なく代表の主力として起用している。井上宗一郎(サンロッカーズ渋谷)と吉井裕鷹(アルバルク東京)は、その代表例だ。
26日のBリーグ仙台戦で奮闘、71-54の勝利に貢献
トム・ホーバスがバスケットボール男子日本代表のヘッドコーチ(HC)に就任して、もう1年以上が経つ。彼は所属チームでまだ地位を築けていない若手選手でも、躊躇なく代表の主力として起用している。井上宗一郎(サンロッカーズ渋谷)と吉井裕鷹(アルバルク東京)は、その代表例だ。
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しかし、夏の代表活動に参加することで、所属チームでBリーグ開幕前のトレーニングに参加する時間は減る。井上、吉井はそれぞれのチームでなかなか出番を得られていない。
例えば、吉井は10月8日の千葉ジェッツ戦、10月23日の宇都宮ブレックス戦でプレータイムを全く獲得できなかった。昨シーズンの終盤はライアン・ロシターの負傷もあって“準レギュラー”として起用されていたが、今季は新HCの下で真価を見せられていなかった。
しかし26日の仙台89ERS戦は吉井が16分27秒の出場時間で、8得点を記録している。チームは堅固な守備で仙台を圧倒し、71-54で勝利した。
A東京のデイニアス・アドマイティスHCは次のように語る。
「早いタイミングで吉井を投入するのは、作戦通りのローテーションプランでした。ベンチから出る若い選手には『ディフェンスをプラン通りすれば、やればやるほどプレータイムも伸びる』と伝えています。今日については(吉井が)非常に良い働きをした。ディフェンスのミスは一つあって、(ネイサン・)ブースに3ポイントを決められたけれど。それ以外はほとんどのケースでいい仕事をしていた」
仙台はネイサン・ブースら4名のビッグマンを擁している。外国籍選手の同時起用は「2名以下」と定められているが、帰化選手の小寺ハミルトンゲイリーも含めて3人のビッグマンが同時にコートに立つ時間帯がある。
24歳の吉井は196センチ・94キロのスモールフォワード/パワーフォワード。サイズがありつつ、オールラウンドなプレーができて、外国出身選手にもついていける守備力もある。チームルールを守りつつ、主に仙台のビッグマンを封じる――。それが彼に与えられたミッションだった。