早大アメフト部出身の150km右腕・吉村優は指名ならず 異例のNPB挑戦に「後悔はありません」
2022年の「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」が20日、都内のホテルで行われ、早大アメフト部出身でNPBを目指していた四国アイランドリーグplus・徳島インディゴソックスの23歳・吉村優投手は指名ならず。高校、大学で2つの「甲子園」を経験した異色の150キロ右腕は「本当に悔しいけど、後悔はありません」と語り、NPB挑戦に区切りをつけることを明かした。
プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD
2022年の「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」が20日、都内のホテルで行われ、早大アメフト部出身でNPBを目指していた四国アイランドリーグplus・徳島インディゴソックスの23歳・吉村優投手は指名ならず。高校、大学で2つの「甲子園」を経験した異色の150キロ右腕は「本当に悔しいけど、後悔はありません」と語り、NPB挑戦に区切りをつけることを明かした。
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吉報は届かなかった。チームメートとともに球団が用意した会見場でドラフト会議を見守った吉村は「やり切りました。この1年間、悔しい想いもたくさんしてきたし、今も本当に悔しいけど、後悔はありません」と潔く語った。
早実野球部で控え投手として2年夏に甲子園出場。1年生だった清宮幸太郎(現日本ハム)らとともに4強入りし、最後の夏は伝統の背番号1をつけた。「高校野球で甲子園に出ることが目標に野球をやってきた。完全燃焼した」と早大進学後はアメフト部に入部。司令塔のクォーターバック(QB)として未経験から這い上がり、3年冬の大学日本一を決める甲子園ボウルに出場してタッチダウンも決めた。
卒業後は再び野球に転向し、クラブチームに在籍。アメフトで取り組んだ肉体改造の成果などもあり、高校時代に134キロだった最速は150キロに伸びた。今年は「本気でNPBを目指す1年にする」と決意し、よりレベルの高い環境を求めて徳島に入団。7月から先発を任され、いきなり先発3連勝を飾るなど頭角を現した。複数のNPBスカウトに注目されたものの、指名はならなかった。
早大基幹理工学部情報理工学科から早大大学院に進学し、現在は2年生。練習・試合とともにオンラインで課題などもこなしてきた。異色の挑戦について「高校野球部の3年間がなければ、今の自分はないし、大学アメフトの4年間がなければ、今の自分はない。アメフトをやったから新鮮な気持ちでもう一度、野球に取り組めたし、野球の常識も疑ってチャレンジができた」と振り返った。
NPBを目指した挑戦はひと区切り。今後は当面、修士論文に取り組みながら「あらゆることを選択肢に考えたい」といい、就職か、クラブチームなどで野球を継続するか、幅広く検討していくという。
「この1年間、1日も妥協することなく、毎日を全力でやってきた。スポーツ界のパイオニアになりたいと思ってチャレンジしてきたし、これからは人生のパイオニアになれるようにチャレンジを続けていきたい」と語った。
(THE ANSWER編集部)