井上尚弥は「情け容赦なかった」 衝撃の米デビューから5年、のちに語った敗者の証言
ボクシングのバンタム級世界3団体統一王者・井上尚弥(大橋)。最も権威ある米専門誌「ザ・リング」のパウンド・フォー・パウンド(PFP)で1位に輝いた経験を持ち、今や世界のボクシングファンを魅了する。その強さを知らしめる一つとなったのが、2017年9月9日の米デビュー戦。WBO世界スーパーフライ級タイトル戦で挑戦者のアントニオ・ニエベス(米国)を6回終了TKOで撃破。あれから今日で5年が経ち、敗れたニエベスの証言を中心に、改めて当時の衝撃を振り返る。
2017年9月9日、米国初上陸となったアントニオ・ニエベス戦
ボクシングのバンタム級世界3団体統一王者・井上尚弥(大橋)。最も権威ある米専門誌「ザ・リング」のパウンド・フォー・パウンド(PFP)で1位に輝いた経験を持ち、今や世界のボクシングファンを魅了する。その強さを知らしめる一つとなったのが、2017年9月9日の米デビュー戦。WBO世界スーパーフライ級タイトル戦で挑戦者のアントニオ・ニエベス(米国)を6回終了TKOで撃破。あれから今日で5年が経ち、敗れたニエベスの証言を中心に、改めて当時の衝撃を振り返る。
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日本が世界に誇る「モンスター」に米国が驚いた。今から5年前。24歳の井上がカリフォルニア州スタブハブ・センターのリングで迎えた6度目のWBO世界スーパーフライ級タイトル防衛戦。キャリア14戦目で初の米国上陸となったが、同級7位のニエベスに対し、強烈な左ボディを武器に攻め込み、6回終了時に相手が棄権。圧巻の強さでV6を達成し、ボクシングの本場に「Naoya Inoue」の名前を知らしめた。
試合後、「彼はとてつもなく力強く、とてつもなく俊敏だった」「同じコンビネーションを続けてきたが、とどまることがなかった。情け容赦なかった」とニエベスは脱帽。井上の強さは、米メディアからも「間違いなくボクシング界屈指のボディパンチャーだ」「ナオヤ・イノウエはダテに“The Monster”と呼ばれる訳ではない」と絶賛の嵐となった。以降、敗れたニエベスは海外メディアに対し、この試合についてたびたび振り返っている。
特に井上がバンタム級に転向し、階級別の世界一を決めるワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)に出場していた19年には「彼は正直、偉大なファイターだ。PFP(のトップ)と言えるだろう」と断言し、こう称賛した。
「彼のパンチは強烈だし、素早い。たまに偉大なパンチャーに出くわすこともあるけど、正直スピードはないんだ。だから、対応できる。凄く素早い相手に出くわすこともあるけど、パンチはそうでもない。だから、対応はできる。この男は全部持っているんだ。速いし、足も最高に動く。ステップワークも素晴らしい。ただただ全てにおいて偉大なファイターなんだ」
また、別のインタビューでは「忘れてはいけないのは、奴らはみんなナオヤ・イノウエから逃げたということだ。そして、自分は逃げなかった。彼らもどういうことかわかっている」とも語っており、スーパーフライ級のライバルが対戦を拒む中で唯一立ち向かった自らの挑戦を誇りに思っていることも明かしていた。
以降、井上の快進撃はご存じの通り。バンタム級でWBSS制覇、3団体統一を達成し、ポール・バトラー(英国)との4団体統一戦に期待が集まっている。衝撃の米デビュー戦から5年。29歳になったモンスターはまだ進化の過程にいる。
(THE ANSWER編集部)