「私は天才と思っていた」 18歳で中国賞金女王、セキ・ユウティンが謙虚に掴んだ初V
中国賞金女王が味わった日本ツアーのレベル
たどたどしい日本語で振り返った。福井で生まれ、両親の母国・中国に移住したのは4歳の時。7歳でゴルフを始めた。ジュニアで36勝。高校を卒業した1年目の2016年に中国女子ツアーの賞金女王に輝いた。
「私は自分のことが偉い選手で、天才だと思っていました」
しかし、17年から日本のツアーを主戦場にすると、予選落ちを繰り返した。「自分のせいじゃない。環境に慣れていないから」と思うようにしていたが、次第に気持ちが変化していった。
「日本の選手のレベルが高いです。だから、私は何も考えずにたくさん練習することを止め、謙虚になってちゃんと考えて練習するようにしました」
勝みなみから紹介されたトレーナーの指導を受けてパワーアップ。今年6月のアース・モンダミンカップまでは左足を少し浮かせる「一本足打法」もあり、ドライバー飛距離を約30ヤード伸ばした。その後、ショットの方向性が不安定になったことで打法変更。より深いバックスイングからのショットで飛距離を維持している。
苦しんできたパターイップスも、グリップの握力を一定に保つことを意識して克服。「恋人もほしい」という思いも封印し、日本で優勝するためにゴルフに打ち込んできた。
「私の年齢、恋人とか彼氏とか同性の友だちとかと遊びたいとか、そういう経験もしたいのですが、ゴルフ以外ではそれも苦労のワンポイントでした。やっぱり、ゴルフ練習を頑張るといろいろと諦めないといけない。同時は難しいですから(笑)」
苦労の末に一つの夢を叶えた24歳。「若くて力があるうちに世界一のアメリカツアーに挑戦したいです」。次の夢を問われると、「(国内)メジャー優勝です」と即答した。次週は国内ツアーの日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯(8~11日、京都・城陽CC)。この勢いで再び頂点をつかみにいく。
(THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida)