オレゴン世界陸上

　オレゴン世界陸上が24日（日本時間25日）、米オレゴン州ユージンのヘイワード・フィールドで最終日が行われた。女子100メートル障害準決勝1組で福部真子が12秒82（追い風0.9メートル）の日本新記録をマークした。組8着で準決勝敗退となったものの、高校時代にインターハイ3連覇を達成し、「天才」と呼ばれた逸材ハードラーが26歳にして世界の大舞台で快挙。同組ではT.アムサン（ナイジェリア）が12秒12で世界新記録を樹立した。

　1レーンから好スタートを切った福部は、序盤は世界のトップハードラーに必死に食らいつく。中盤以降は突き放されたが、最後まで大きく失速することなく駆け抜けた。1着のアムサンが12秒12の世界新記録を樹立し、レース後は拍手を送っていたが、福部も堂々のナショナルレコード。レース後、テレビのインタビューに答える際はうれし涙を浮かべていた。

「言葉にならないです」と感激の胸中を語った福部。世界新記録が飛び出したレースで走り「（先頭が）見えなかったけど、自分のレースをしっかりすることをスタートするときから意識していた。82というタイムは想定外だったので嬉しい」と語った。目標にしていた日本記録を達成。「目指していたことだったので、上手く言葉にできないですけど、本当にいろいろな方々に助けてもらったなっていう思いでいっぱいです」と話した。

　広島皆実高時代にインターハイ3連覇を達成したが、日体大進学以降は伸び悩んだ福部。「天才」という肩書きに苦しみ、大学3年まで自己ベストを更新できず、卒業後は環境を変えながら試行錯誤。26歳にして今年6月の日本選手権で初優勝を飾っていた。