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地元選手の0.001秒差フライング失格に米国内で物議 有識者も「このルールはお粗末だ」【世界陸上】

オレゴン世界陸上は17日(日本時間18日)、米オレゴン州ユージンで第3日が行われた。グラント・ホロウェイ(米国)が13秒03(追い風1.2メートル)で連覇を達成した男子110メートル障害決勝で物議を醸したのは地元のデボン・アレン(米国)のフライング失格。リアクションタイムでわずか0.001秒に泣いた結果に対し、米国で大きな議論が沸き起こっている。

世界陸上、男子110メートル障害のデボン・アレン【写真:ロイター】
世界陸上、男子110メートル障害のデボン・アレン【写真:ロイター】

オレゴン世界陸上男子110メートル障害でフライング失格のデボン・アレン

 オレゴン世界陸上は17日(日本時間18日)、米オレゴン州ユージンで第3日が行われた。グラント・ホロウェイ(米国)が13秒03(追い風1.2メートル)で連覇を達成した男子110メートル障害決勝で物議を醸したのは地元のデボン・アレン(米国)のフライング失格。リアクションタイムでわずか0.001秒に泣いた結果に対し、米国で大きな議論が沸き起こっている。


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 レース前に東京五輪王者ハンスル・パーチメント(ジャマイカ)がスタート直前の練習で故障棄権という波乱ムードの中で迎えた男子110メートル障害決勝。スタートの号砲の直後、フライングを知らせる2度目のピストル音の対象となったのはアレンだった。リアクションタイムは0.099秒。規定より1000分の1秒反応が速く、無情にもフライング失格の通告を受けた。

 これにはアレン本人も猛抗議し、取材エリアでは「自分が素早いのは知っているけど、これは残念だ」などと不満を口にしたが、ツイッター上で有識者の間からも疑問の声が噴出。2015年世界選手権米国代表で1万メートル銅メダリストのエミリー・インフェルド氏は「コンピューターにも誤差はあるはず。1/1000秒をミスやコンピューターのせいにするのは合理性を欠いてしまっている」と人知を超えているかもしれないアスリートの反応速度の計測についての限界を指摘している。

 今年4月にNFLフィラデルフィア・イーグルスとワイドレシーバーとして契約したアレンの才能を高く評価する元イーグルスのラインバッカー、エマニュエル・アチョ氏は「有能ゆえにアスリートが罰せられている」と擁護。これにはカナダ公共放送「CBCスポーツ」などで執筆しているNFLライターのジェフ・ケアー氏も「アレンが気の毒だ。あれはアレンのリアクションタイムであって、フライングではない。人間ができるギリギリの判定だ」と同調した。

 米スポーツ専門局「ESPN」の番組「スポーツセンター」などでスポーツアンカーを務めるケビン・ネガンディ氏は「このルールはお粗末」とバッサリ。米放送局「FOX」系列の「FOX16」のニュース番組でアンカーを務めるアシュレイ・キング氏も「もう同意できない! デボン・アレンが走るのを本当に楽しみにしていたのに」と衝撃の結末を残念がった。

(THE ANSWER編集部)


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