オレゴン世界陸上

　オレゴン世界陸上は17日（日本時間18日）、米オレゴン州ユージンで第3日が行われた。男子110メートル障害決勝はレース前から大波乱が続出。東京五輪金メダリストのハンスル・パーチメント（ジャマイカ）がスタート直前に練習で故障棄権したのに続き、NFLとの“二刀流”で人気のデボン・アレン（米国）が1000分の1のリアクションタイムに泣き、まさかのフライングで失格となった。

【特集】“欽ちゃん球団監督”片岡安祐美の今　2度の流産を経て母に…思春期の後悔「生理に見て見ぬふりを」
（W-ANS ACADEMYへ）

　レース前、パーチメントの離脱で場内がざわつく中で迎えたスタート。各選手、ピストル音とともに勢いよく飛び出したが、間もなくフライングを知らせる2度目のピストル音が鳴り響いた。対象となったのはアレンで、リアクションタイムは0.099秒。ピストル音から0.1秒以内に反応した場合は不正スタートとなるため、フライングとみなされた。

　完璧なスタートと信じて納得のいかないアレンは、計時機械を担当する係員のもとに歩み寄って猛抗議したが納得いかない様子。競技の結果、正式にアレンにフライング失格が告げられると、場内からは大ブーイングが飛んだ。

　アレンは今年4月にNFLフィラデルフィア・イーグルスと契約したワイドレシーバーで、陸上競技との二刀流選手として全米で大人気。しかもアレンにとってユージンは練習拠点で、今大会はまさに地元開催。それだけに本人もファンも納得いかない結果となった。

　仕切り直しで行われたレースはグラント・ホロウェイ（米国）が抜群のスタートから一気に駆け抜け、13秒03（追い風1.2メートル）で金メダル。前回ドーハ大会に続く連覇を飾った。