国内ツアー「アース・モンダミンカップ」最終日

　女子ゴルフの国内ツアー「アース・モンダミンカップ」は26日、千葉・カメリアヒルズCC（6639ヤード、パー72）で最終日が行われ、6打差の9位から出た木村彩子（富山常備薬）が4バーディー、1ボギーの「69」で回り、悲願のツアー初優勝を飾った。涙に暮れた26歳は「夢みたい。まさか自分が優勝できるとは…」と歓喜。高額の優勝賞金5400万円の使い道についても希望を明かした。

　歓喜の瞬間、涙があふれた。先にホールアウトしていた木村は最終組の結果を待ち、優勝が決定。選手らから祝福された。

「まだ夢みたいです。まさか、自分が優勝できるとは思っていなかった。凄くうれしいです」

　1時間後に行われた優勝会見でも夢見心地だった。

　首位と6打差で迎えた最終日。「昨日、ちょっと悔しい上がりだった。前半アンダーで回って、後半40で……。ハーフで2アンダーずつ、通算5アンダーを目指して自分ができることをやろうと」。前日から続いて風が強いラウンドで上位陣が苦しむ中で、コツコツとスコアを伸ばした。

　優勝賞金5400万円という高額大会。大の車好きで、マセラティのレバンテが現在の愛車という。第1ラウンド終了後には、優勝した場合は新車を購入したいと希望を明かしていた。晴れて念願が叶い、買いたい車種を問われると、「まだどうするかは考えます」としながら語った。

「決まってはないですが、BMWで一つ欲しいと思っているものがあって。M8という（車種）。ちょっと変わっていると思う。（価格を問われ）新車だと2700万円くらいだと思います。でも、お父さんも『優勝したら、俺にも買ってくれ』と言われていて、本当に勝ってしまったので、どうするかはこれから要相談です（笑）」

　照れながらも、夢を膨らませている様子だ。プロテスト合格まで中古クラブショップで時給1000円の販売員アルバイトをしながら腕を磨いてきた苦労人。身長155センチと小柄でハンデもある。「見た目的には165センチくらい欲しかった。手足が長く見えそうだし」と笑うが、証明したいことがある。

「たくさん勝てる選手、息の長い選手になりたいと思っている。西村優菜ちゃんみたいに小さくて飛距離が出ない選手でも勝てると私も証明していきたい」

　慣れない優勝会見で緊張のあまり「（自分で）何言ってるかわからない、大丈夫ですか？」と笑って汗をかいたが、思いは十分に伝わってきた。