3年ぶりCSで直面した“最大の試練” 名古屋D、外国籍3人を欠く苦闘で得た成長の糧
「今日は本当に厳しい試合でした。名古屋ダイヤモンドドルフィンズというチームの魂を感じる試合でした」と、敵将の佐藤賢次ヘッドコーチ(HC)もその奮闘に賛辞を惜しまなかった。
BリーグCS準々決勝で川崎に2連敗、第2戦では外国籍選手3人が怪我で欠場
「今日は本当に厳しい試合でした。名古屋ダイヤモンドドルフィンズというチームの魂を感じる試合でした」と、敵将の佐藤賢次ヘッドコーチ(HC)もその奮闘に賛辞を惜しまなかった。
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バスケットボールBリーグの名古屋Dは、コティ・クラーク、オヴィ・ソコという2人のビッグマンを怪我で欠く状況で、チャンピオンシップ(CS)準々決勝を迎えた。14日の第1戦は“らしさ”を全く発揮できずに71-97で完敗。さらに不運なことに、第1戦でインサイドを1人で支えてきたスコット・エサトンが負傷し、アジア特別枠のレイ・パークスジュニアと日本人選手のみで第2戦を戦うこととなった。
対する川崎ブレイブサンダースは、帰化選手1名と外国籍選手2名を同時起用するビッグラインナップを武器としている。15日の第2戦はニック・ファジーカス、パブロ・アギラール、ジョーダン・ヒースの2メートル超の3選手に加え、195センチのSF熊谷尚也が先発。名古屋Dは最も身長の高い選手が張本天傑の198センチと、インサイドでの苦戦は誰の目にも明らかだった。
ところが名古屋Dは、その予想を覆す。分の悪いインサイド勝負に持ち込ませないよう、オールコートで激しくプレッシャーをかけて、8秒ルールやスティールを次々と奪う。インサイドにボールが入れば、「うちはそんなにサイズのないチームなので、シーズンの最初からずっとインサイドはダブルチームというディフェンスをしていたので、そこはいつも通り。今日は特にインサイドをちょっと絞りながら」(張本)対応した。
オフェンスではスピードのアドバンテージを生かして、齋藤拓実、伊藤達哉、レイ・パークスジュニアらがペイントアタックを仕掛けて川崎のディフェンスを収縮させ、キックアウトから得意の3ポイントシュートで得点を重ねる。
ゴール下では「今日はスコット(・エサトン)がいないなかでインサイドを任されていたので、彼らの分の得点が減ってしまうので、空いたら積極的に打っていこうと決めていました」という張本や、レギュラーシーズンは平均10分弱とプレータイムを得られていなかった日本人ビッグマンの菊池真人が、頭一つ分、身長差のある川崎のビッグマンに果敢に立ち向かった。
リバウンドにも全員で飛び込み、前半はフィールドゴールアテンプト(シュート数)で川崎を「9」も上回る、得意のアップテンポなバスケに持ち込んだ。
前半を終えて、36-41と5点差を追う展開。川崎の佐藤賢次HCも「前半はそこ(名古屋Dの魂のプレー)に押される形になってしまった。ターンオーバーが多く、名古屋Dのディフェンスの質が高く気持ち良くシュートが打てなかった」と、名古屋Dの勢いに手こずったことを認めた。
後半は川崎が修正したこともあり、名古屋Dは70-85で敗れて2連敗、CS準々決勝敗退となった。しかし最後の最後までファイティングポーズをとり続けた選手には、名古屋から駆けつけた200人ほどの赤きブースターだけではなく、川崎の選手、そしてとどろきアリーナを埋め尽くしたブースターから大きな拍手が送られた。