“エース級”コンビがCS前に負傷 苦境のA東京、日本人ビッグマンが背負う期待と重圧
必死にもがいている2人にルカHCも期待
平岩は2戦目でスタート起用された。「試合前にルカコーチからマッチアップ相手のポイントを伝えられていたのですが、なぜかソフトに入ってしまって……。スコア上では30点差ですが、50点差で負けてもおかしくないような内容でした」と試合後に悔いたが、吉井と同様に今季最多となるプレータイムのなかで10得点を挙げた。
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ルカHCがこのクラブで求めているのは、どの選手がコートに立っていようと、常に同じクオリティのバスケットを積み上げられる遂行力。吉井は「スタートで出ようが出まいが、自分の調子はあまり考えず、チームスタンダードや自分の仕事だけに常にフォーカスしている」と話し、平岩はこの2戦を通して何本も決めた合わせのシュートや、ウォーミングアップから入念に打ち込んでいるフックシュートなどを挙げて「ここ数試合でプレータイムが増えたなかで、今までやってきたことは間違ってなかったという実感があります」と手応えを語った。
平岩は言う。
「以前は(カーク、ロシター、セバスチャン・サイズがベンチに下がった時に)つなぐというモチベーションでしたが、今は僕が試合に出てやらなきゃいけないと思っているし、点差がどうであろうと、自分のパフォーマンスがどうであろうと戦い続けなければいけないと思っています。2人が戻ってきた時に向けて、僕らは戦い続けないといけない。それは大きなモチベーションの1つです」
ルカHCが言うように、パワーフォワード、センターでプレーするBリーグの日本人選手は、みな非常に厳しい戦いを強いられている。対戦相手が容赦なくインサイドを突いた戦いを仕掛けてくるなか、A東京の2人の日本人ビッグマンたちは、与えられた貴重なチャンスを生かすべく、必死にもがいている。
そんな彼に向けて、ルカHCは以下のようなエールを送った。
「彼らはまだ若いですし、外国籍選手とマッチアップする現状は苦しいものだと思いますが、自分より上の選手に食らいつこう、一つのプレーにしがみついて全力でプレーしようという意識は見えています。今日に関しては残念な結果でしたが、今までハードワークして積み上げてきたことが今後の試合でも必ず役立てられると思うし、今後まだまだプレータイムを勝ち取るチャンスがあるとも思っています。そのチャンスをしっかりと自分たちのものにして、チームに貢献してほしいです」
A東京は今週末、東地区4位(ワイルドカード1位)の宇都宮ブレックスとの2連戦でレギュラーシーズンを終える。ロシター、カークのロスター入りは執筆時点では不明だが、可能性にあふれる2人の日本人ビッグマンが、与えられたチャンスを最大限に生かしながら、チームの勝利に向けて精一杯奮闘することを期待したい。
(青木 美帆 / Miho Aoki)