東京五輪バトンミスの“悪夢”から復活 陸上100m多田修平「やったるぞと燃えている」
陸上・織田記念国際が29日にエディオンスタジアム広島で行われる。28日は一部選手が会見。男子100メートルに出場する昨年日本選手権覇者の25歳・多田修平(住友電工)が意気込みを語った。
29日織田記念国際
陸上・織田記念国際が29日にエディオンスタジアム広島で行われる。28日は一部選手が会見。男子100メートルに出場する昨年日本選手権覇者の25歳・多田修平(住友電工)が意気込みを語った。
多田は昨年日本選手権で初優勝。東京五輪は予選敗退し、金メダルを目指した400メートルリレーは決勝で1走の自身と2走の山縣亮太との間でバトンミスがあった。“悪夢”の途中棄権。「東京五輪は凄く悔しい思いをした。そこで一区切り。だいぶ落ち込みはしたけど、練習自体はすぐにやった。あの時メダルを獲っていたら満足していたかもしれない。パリ五輪に向けてリベンジ、やったるぞと燃えている心がある」と闘志をみなぎらせた。
今月24日の出雲陸上に出場し、決勝で10秒27(追い風1.5メートル)の2位。「若干疲労は残っていますけど、出雲ではいい刺激が入った。少し軽やかになった。目標は優勝とタイムにこだわって走りたい」と明かした。
「雨の予報ですが、雨でも最低10秒10台とか出せれば満足して終われる。そこを目指して頑張りたい」。向かい風8~9メートルの予報だが、「正直、僕は向かい風に強くない選手。体重が軽いので。日本選手権、世界選手権でそういう風が吹くかもしれないと想定してやらないといけない。どんな風だろうと自分の走りに集中したい。8メートルはちょっと厳しいかもしれないですが、そこは意識したいです」と苦笑いしながら語った。
今季は7月にオレゴン世界陸上、9月にアジア大会(中国・杭州)が開催される。男子短距離は5月8日のセイコーゴールデングランプリ(東京・国立競技場)などが行われ、6月9日開幕の日本選手権(大阪)で代表権を争う。
まずは参加標準記録10秒05を切ることが目標となる選手たち。多田は「力任せの走りが試合を重ねるたびに徐々に軽やかになっている。試合を重ねて調子を上げていきたい。まずは日本選手権で、今年の最大は世界選手権。2回ピークを持ってこないといけない。世界選手権にピークを持って行って9秒台を安定させるのが理想の形。難しいけど、そこを目指したい」と見据えた。
今大会は自己ベスト9秒98の小池祐貴(住友電工)、東京五輪400メートルリレー代表のデーデー・ブルーノ(セイコー)らが出場する。24日の出雲陸上決勝を10秒18で制した桐生祥秀(日本生命)は、右ハムストリングの違和感で欠場。昨年大会覇者で9秒95の日本記録保持者・山縣亮太(セイコー)は、膝の手術明けのため出場を見送った。
(THE ANSWER編集部)