「予測と準備する能力に長けている」 楢﨑正剛が高評価したJリーグ月間No.1セーブ
スポーツチャンネル「DAZN」とパートナーメディアで構成される「DAZN Jリーグ推進委員会」との連動企画で、元日本代表GKとして活躍した楢﨑正剛氏は2022シーズンのJ1リーグ、2・3月の「月間ベストセーブ」に名古屋グランパスのGKランゲラックのプレーを選出した。目が光ったのは、第5節に柏レイソルとホームで対戦した62分のセーブ。楢﨑氏は「プレー選択の判断」を高く評価した。(取材・構成=藤井 雅彦)
中途半端な距離の場合はブロックではなく「対抗する気持ちは必要不可欠」
スポーツチャンネル「DAZN」とパートナーメディアで構成される「DAZN Jリーグ推進委員会」との連動企画で、元日本代表GKとして活躍した楢﨑正剛氏は2022シーズンのJ1リーグ、2・3月の「月間ベストセーブ」に名古屋グランパスのGKランゲラックのプレーを選出した。目が光ったのは、第5節に柏レイソルとホームで対戦した62分のセーブ。楢﨑氏は「プレー選択の判断」を高く評価した。(取材・構成=藤井 雅彦)
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試合結果を大きく左右するビッグセーブが飛び出したのは、1-1で迎えた62分だった。
一度は相手のサイド攻撃を跳ね返した名古屋グランパス守備陣だが、こぼれ球をヘディングでつながれて再びゴール前へボールを運ばれてしまう。次の瞬間、ふわりと浮いたボールに鋭く反応してDFの間を抜け出した柏レイソルMFの小屋松知哉が倒れ込みながら右足で強烈なシュートを放つ。
そこに立ちはだかったのが守護神のGKランゲラックだ。至近距離からのシュートに反応すると、左手一本でボールを枠の外へ弾いて大ピンチを救った。
このシーンを2・3月の月間ベストセーブに挙げた元日本代表GK楢﨑正剛氏が目を細めて理由を語る。
「名古屋としてはマイボールにできそうなボールを相手に奪われてしまい、しかもヘディングでボールをつながれてシュートに持ち込まれる形は想定しにくい。それでもランゲラック選手がしっかり対応できたのは予測と準備する能力に長けているからです。セービング直後に大きなガッツポーズで喜びを表現していますが、彼としても会心のセーブだったのでしょう。レベルの高いプレーを飄々とできる選手ですが、難しい場面をしっかり防げた満足感があったのだと思います」
楢﨑氏が併せて高く評価したのは、プレー選択の判断だ。
シューターとGKの距離は、おそらく2~3メートルだった。それでもランゲラックは最後まで目線を切らさず我慢し、シュートにタイミングを合わせて反応してみせた。
「この場面のような中途半端な距離の対応でブロックを選択する選手もいます。もっと至近距離であれば体を大きく見せ、どこかに当てて弾くブロックという選択肢は効果的ですが、個人的にはしっかりとボールに反応して手や足を動かすアクションも大事だと考えています。防げなかったとしても、対抗する気持ちはGKとしては必要不可欠。そういった点でもとても参考になるプレーでした」