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山口茜が“日韓戦”で勝利 世界ランク1位は陥落も「満足している」

たとえ2週間でも、世界1位の喜びは前進の力となった。バドミントン日本代表女子シングルスの山口茜が4日、富山県高岡市で行われた第35回日韓バドミントン競技大会第1日に出場し、世界ランク8位のスン・ジヒョン(韓国)をストレートで下した。

第35回日韓バドミントン競技大会第1日に出場した山口茜【写真:平野貴也】
第35回日韓バドミントン競技大会第1日に出場した山口茜【写真:平野貴也】

福島、廣田組の退社で周囲は騒がしさも…「特にやることは変わらない」

 たとえ2週間でも、世界1位の喜びは前進の力となった。バドミントン日本代表女子シングルスの山口茜が4日、富山県高岡市で行われた第35回日韓バドミントン競技大会第1日に出場し、世界ランク8位のスン・ジヒョン(韓国)をストレートで下した。山口は4月下旬に行われたアジア選手権の代表に選ばれていたが、直前の合宿中に右足内転筋が軽度の肉離れを起こしたために棄権していた。試合後は「久々の実戦で多少は不安があったけど、しっかりと勝ち切れて良かった。足の状態は、先週の金曜、土曜辺りから気にならなくなった。足の状態は100%で、全体的には7~8割の動き」と話し、戦線復帰した喜びを示した。試合は、第2ゲームで苦戦してファイナルゲームに持ち込まれそうになったが、相手の意表を突くドロップショットやクロスネットなどを見せて会場を沸かせ、元気な姿を見せた。

 山口は、全英オープンで準優勝するなど世界トップクラスの大会で活躍。4月19日付で初めて念願の世界ランク1位となったが、アジア選手権を欠場してポイントを稼ぐことができず、5月3日付で2位となり、世界ランク1位の座は「14日天下」に終わった。ただ「1位になれたことは嬉しかったけど、なって満足しているので、2位に落ちたことに関しては別に何とも思っていない。元々(僅差のポイントで)『たなぼた』みたいな形だった」と笑い、気にかける様子はなかった。「次は長くキープしたいか」と聞くと「それぐらい強くなっていたらいいなと思います」と謙虚に答えた。実際に1位になったことで、世界の頂上が手の届く位置にあることは確認できたはずだ。再び世界ランク1位に返り咲き、世界選手権などで活躍する姿が期待されるが、当面は、国別対抗戦のユーバー杯(16日~28日、バンコク)でエースとして日本をけん引する役割を担う。

 山口は、自分のミスや相手のファインショットに苦笑いを浮かべながらプレーする。どんな状況でもプレーを楽しむ姿勢が根幹にある。山口の所属先である再春館製薬所は、2月に閉幕した国内最高峰のS/Jリーグで2位、同リーグの上位4チームが参加した3月のトップ4トーナメントで優勝した強豪だ。しかし、今春、次々に指導スタッフや選手がチームを離れており、4月末には昨年の世界選手権で銀メダルを獲得した福島由紀、廣田彩花組も退社。周囲が騒がしいが、山口は「個人的には、特にやることは変わらない」と泰然自若で今後も進化を目指す。

(平野 貴也 / Takaya Hirano)


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