39歳福士加代子、引退レース完走 大阪ハーフで有終ラン、最後は笑顔でフィニッシュ
大阪ハーフマラソンが30日、大阪・ヤンマースタジアム長居発着の21.0975キロで開催された。大阪国際女子マラソンと同時スタートとなり、引退レースの39歳・福士加代子(ワコール)は途中歩く場面もありながら1時間16分4秒の30位で執念の完走。数々の名シーンを残してきたランナーが、思い出深いコースでラストランを終えた。
大阪ハーフマラソン、福士加代子が現役最終レース
大阪ハーフマラソンが30日、大阪・ヤンマースタジアム長居発着の21.0975キロで開催された。大阪国際女子マラソンと同時スタートとなり、引退レースの39歳・福士加代子(ワコール)は途中歩く場面もありながら1時間16分4秒の30位で執念の完走。数々の名シーンを残してきたランナーが、思い出深いコースでラストランを終えた。
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思い出深い地を駆け抜けた。黒いユニホームの福士は5キロ地点を16分46秒で通過。女子先頭から4番手だった。途中で笑みを浮かべながら走る場面も。10キロ地点は33分35秒で女子先頭と30秒差。15キロ地点は50分58秒で1分12秒差の5番手だった。長居公園に入ると、沿道のファンから「最後まで楽しんで!」の声。しかし、福士は苦しそうに脇腹を押さえて大きく減速し、少しだけ立ち止まる場面もあった。
追い抜く周りのランナーまでもエールを送る。トラックに入ると観客からも声援。福士は笑顔で手を振りながら駆け抜け、1時間16分過ぎにフィニッシュした。2006年に当時日本記録の1時間7分26秒をたたき出したハーフ。最後の瞬間まで力を尽くし、ファンに激走を届けた。
過去6度走った大阪国際は、08年に初マラソンを踏んだ舞台。当時は2位以下を大きく引き離したが、30キロを過ぎて大失速した。4度も転倒するほど朦朧とした状態でフィニッシュ。2時間40分54秒の19位だったが、ファンの脳裏に深く刻まれたレースだった。13年、16年は強さを見せつけて優勝。一方、東京五輪を目指していた19年は途中棄権、20年も25キロ過ぎでリタイアした。
五輪は04年アテネから16年リオまで4大会連続出場。3000メートルや5000メートルで日本記録を打ち立て、「トラックの女王」と呼ばれるほどの強さを誇った。世界選手権は03年パリから5度出場。奔放な発言は“福士節”と注目を浴び、ファンを楽しませた。記録にも、記憶にも残るレジェンドが現役生活に幕を下ろした。
(THE ANSWER編集部)